
vol.321
SPARKLING ARTIST INTERVIEW
ロックとクラブをオリジナルな音で
結びつける 日本の誇るべき才能!
HALFBY
イギリスのマンチェスターシーンを感じさせたかと思えば、ジャクソン5が現役復帰したようなサウンドを鳴らす。心を揺さぶるビューティフルなチューンもお手の物だ。HALFBYは、ジャンルの間をスイスイと泳ぎながら、コレっという場所にするりと入り込んでは、これまでなかったような音楽にする。22日、メジャー第一弾アルバム『SIDE FARMERS』(TOY’S FACTORY)をリリースする。この作品もまた傑作で…。
遅れてきた青春的な作品です
現在活躍しているサウンドクリエイターのなかで、人気も実力も兼ね備えているHALFBYが待望のアルバムを完成させた。さまざまなジャンルの音が心地よくつながっていく、とてもHALFBYらしい作品だ。
「前作の『GREEN HOURS』のときは、企画自体がHIPHOPカラーを崩して、そこからどう遠ざけるかがテーマだったんですけど、今回はもっとサンプルのループ感を生かした上で、自分が今聞いているのがヨーロッパのロック全般だったりするんで、そういったものの持つメロディー感だったりバンド感をある程度意識しましたね」
タイトルは『SIDE FARMERS』。
「制作も後半になって収録曲を揃えたり、曲のタイトルを決める段階になって、“サイドファーマーズ”で落とし込もうかって。というのも、今回のアルバムに収められている曲って、自分自身が好きなヨーロッパあたりのロックシーンの影響を強く受けたものになっていて、そのロックがどこか牧歌的なものが多かったんです。だから、アルバムの雰囲気も自然とそうなっていて。牧歌的といえば、農業でしょう。もしくは、田舎かな、と」
サイドビジネスは副業のこと。とすれば、サイドファーマ−ズは兼業農家? 話は本筋からずれるが、HALFBYの実家は専業農家だそう。
「米も野菜も作ってますよ。とはいえ、僕はまったく継がずにミュージシャンなことをしてるわけなんですが…。子供のころから親が田畑で働く姿を見ていて厳しさも知っているから片手間にできるものじゃなく、本腰をいれてやらないとどうにもならないことが分かってますし(笑)」
田畑を耕すのではなく、HALFBYは“本腰を入れて”音楽を掘った。レコード店のバイヤーでありつつ、DJやアーティストとして活動する彼は、新旧のサウンドのなかからコレだというものをピックアップし、オリジナルな音楽に消化する。彼は音楽を育て上げるFARMERなのかもしれない。
さて、アルバムの内容だが、遊び心のあるHALFBYらしいもの。かわいらしい、かっこいい、おもしろい−。タイプの違った曲が自然な形で並べられている。もちろん、強烈な個性を打ち出した4枚のシングルも収録。
「それぞれのシングルが、アルバムのビジョンを考えて作ったものじゃなくて……それぞれの曲にキャラ設定するというか、自分の音楽的なバックグラウンドを載せていこうと思ってやっていたんですよ。そしたら、キャラ立ったもの、かつ、みんなパワーを持っているものになった。だから、そのほかの曲っていうのは、シングル4曲にリンクを張っていけるような曲、オプション的な曲をさしていってアルバムに広げていきました。シングル以外の曲は一気に作ったんですよ。アイデアはいろいろあったけれども、企画として立ち上げたのは5曲でそのデモを同じタイミングで仕上げて。アウトトラックはなかったです(笑)」
現在の音楽シーンにおける重要なキーワードに「踊れるロック」「ロックなダンスミュージック」があるが、HALFBYはそのもの。
「ニューウェーブとかポストパンクの流れがあって、90年代のネオアコがあったり…。そういう音楽が今ピークにきてるのかなと思います。自分にとってもそれがジャストで、今回のアルバムって自分にとっても遅れてきた青春的な作品です。それとともに、HALFBYのキャラも確立できた気もしてます。ただ、2枚目(メジャーとしては1枚目)を出す前からこんなこというのもどうかなと思いますが、今回好きなことをやらせてもらった分、次は悩むんじゃないかな。意外と地味になったりしてね(笑)。でも、それでもいいと思うんですよ。自分が聞いてきたアースティストもそうですけど、このアルバムは良くないっていうのがあるのはいいことなんですよ。後々になってそのアルバムに戻ってきたりすることもあるし」
ジャンルとジャンルをつなげ、心地よくさまざまなサウンドを紹介してくれるHALFBY。今後も注目だ!
(本紙・酒井紫野)
メジャー 1st Album
SIDE FARMERS / HALFBY
TOY'S FACTORY 8月29日(水)発売
[初回限定生産盤]CD+DVD 3000円(税込)
[通常盤]2625円
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