
vol.321
8回逆転満塁弾! 夏の甲子園は佐賀北がミラクルV
第89回全国高校野球決勝が22日、甲子園球場で行われ、佐賀北(佐賀)が5−4で広陵(広島)に逆転勝ち。2度目の出場で初の日本一に輝いた。佐賀勢の優勝は94年の佐賀商以来2度目。公立校の優勝は96年の松山商(愛媛)以来11年ぶりの快挙となった。
満員の5万人で埋まった甲子園がミラクルに揺れた。1点を追う8回一死満塁。佐賀北の3番副島は、広陵のエース野村の失投を見逃さなかった。真ん中に入ってきたスライダーを振り抜くと、打球は大きなアーチを描いて左翼席中段に飛び込んだ。大歓声、拍手、そしてスタンディングオベーション。副島は「信じられない。幸せ。最高。球場全体が打たせてくれたよう」と顔を紅潮させた。
7回、百崎監督から言われた。「スコアボードを見ろ」。広陵は攻めてはいるものの11残塁。「負けていないぞ。3年間を出し切れ」。
今年4月、監督の指導方針にナインが反発し、日誌には不平不満が並んだ。副島も不満はあったが「僕は副主将。(主将の)市丸から監督を信じろと言われた」。甲子園を目指す全員の結論も「監督を信じる」だった。
それからは監督を信じ、基礎体力、基礎技術を磨き、積み重ねた練習の成果を出し切った。
練習場はサッカー部と共用で、ナイター設備はない。全員が自宅通学。練習時間も限られる環境の中、「甲子園で校歌を歌うこと」が目標だったチームは一戦ごとにたくましくなった。特待生問題に揺れた年、4081校の頂点に立ったのは特待制度とは無縁の公立校だった。