
vol.323
大丸と松坂屋が統合 売上高1兆円
国内百貨店大手の大丸、松坂屋ホールディングスが経営統合した共同持ち株会社「J・フロントリテイリング」(JFR)が3日、発足した。両社を単純合算した連結売上高は約1兆1700億円(平成19年2月期)。4日から全国のグループ計26の店頭で統合記念セールを実施し、売上高1兆円を超える百貨店グループの誕生をアピールした。
3日、JFR首脳陣が会見し、奥田務社長(大丸会長)が「お客さまの期待を上回る商品・サービスで、支持率日本一を目指す」と経営方針を説明。百貨店事業を収益の柱にスーパーマーケット、外食・食品、カード・顧客管理などの周辺各事業を22年2月までに1業種1社へ集約する。
業績目標(連結)は、23年2月期に売上高が19年2月期比4.9%増の1兆2300億円、営業利益が同43.2%増の600億円。早期に営業利益率5%達成を目指す。
課題の首都圏戦略は(1)大丸東京店の移転(今年11月)・増床(平成24年)(2)松坂屋銀座店再開発(24年)−を通じ「首都圏でのプレゼンス(存在感)を高めたい」(奥田社長)とした。
百貨店4強時代に突入
百貨店業界は“4強”、すなわちJFR、三越伊勢丹ホールディングス、ミレアリテイリング(西武百貨店・そごう)、高島屋といった1兆円規模のグループがしのぎを削る時代に突入した。中でも、JFRと来年4月に誕生する三越伊勢丹は首都圏戦略などで真っ向からぶつかる。ショッピングセンターやネット通販など他業態との競争も激しくなる中、統合の相乗効果を発揮できるかどうかが生き残りのカギを握る。
「社風の違いがないと言ったらうそになるが、非常にうまく行っている」。JFRの奥田務社長は会見で、統合の手ごたえを語った。
奥田社長が大丸で進めた改革は、売り場特性に合わせた人員配置の見直し。伝票処理などは派遣社員に任せ、社員が販売に専念できる態勢を作った。
今回の統合ではリストラには踏み込まない。そのかわり「最大の顧客満足を最小のコストで実現」を合言葉とする大丸の経営手法が、低迷する松坂屋HDに移植されることになる。