今週のTOKYO HEADLINE
vol.324
(2007.09/17-09/23)
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MOVIE vol.324

INTERVIEW
伝説の歌姫を全身全霊で演じきったフランス人気女優!

『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』主演
マリオン・コティヤール

伝説的シャンソン歌手エディット・ピアフ。その短くもドラマティックな人生を、オリジナル曲「愛の賛歌」「バラ色の人生」などの名曲とともに描く人生賛歌が、この秋日本を彩る――。大ヒットシリーズ『TAXi』などでも知られる人気女優が、全力をかけて伝説の歌姫になりきった!

実は前から、気持ちを盛り上げるときはピアフの歌を聞いてたの。

 1915年パリ下町の貧しい家庭に生まれた1人の少女。両親から家庭的な愛情を受けることなく、各地を点々としながら成長した彼女は、やがてその才能を見出される。彼女こそ、天才シャンソン歌手として世界中に名をとどろかせた歌姫エディット・ピアフだ。「愛の賛歌」「バラ色の人生」…日本でも深く愛されるピアフの名曲とともに、その人生を描く映画『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』。その独特な表情や動きを演技に取り入れ、少女時代から晩年までを迫真の演技で演じきったのが、エンターテインメント作品でヒロインを演じてきたフランスの人気女優、マリオン・コティヤール。これまでの彼女を知っている人、そして在りしのピアフの姿を知っている人、ともに大きな驚きを感じるだろう。なにしろスクリーンの中のマリオンは、ピアフそのものなのだ。

「ピアフの親友の女性は今も健在でいるのだけど、実は彼女の反応が一番気になっていたんです。だって彼女は“真実”を知っている人。これは彼女の物語でもあるのですから。その彼女が、試写を見た後に電話をかけてきてくれたので、不安に思いながら『私、ちゃんと自分の仕事ができていたでしょうか』って尋ねたんです。そうしたらひと言『オ・ラ・ラ!』って(笑)」

 まさに万感こもった感嘆だったはず。実はマリオンの身長は169センチ。非常に小柄だったエディットを演じるには高すぎるといってもいい。 

「確かに外見的に、私は彼女とそれほど似ているわけではありませんから、外見的にも役作りをしなければいけませんでした。でも、監督と私がよく話していたのは、彼女のバイタリティーについて。年齢や顔かたちはメイクアップで何とかなるところもありますから、私のほうが背が高くてもごまかすことはできるんです。でも大事なのはその部分ではない。病気のため、まだ47歳なのに老人のような外見でありながら子供のような魂を持っている。そんなアンバランスなところも本物のように見せることが、難しいところだったのです。(アフレコで)録音した歌声に口を合わせて動かすといった技術的なことも難しいときがありましたけど、そういうことは苦労とはまったく思ってはいませんでした。ああいうことは、私を彼女に近づけてくれるものだったのです」

 映画で流れる歌のうち、いくつかは実際にマリオンが歌っている。マリオンはピアフの魂に最も近づいたアーティストの1人だ。そんなマリオンが気づいたピアフの気持ちとは。

「私も、彼女が孤独を恐れる気持ちを、強く感じていました。独裁者のように振る舞うのも、もとをただせば、両親から捨てられたという子供時代のトラウマのため、愛を探し求めようとする気持ちがとても強い女性になったと、思うのです。彼女は母の愛を知らない。そのために彼女はとてもか弱く、1人になるのを非常に恐れている。実際晩年に、自分は孤独をとても恐れていることや、孤独を恐れるあまりいろいろな人に嫌な思いをさせてとても後悔していることについて、記しています」

 本作は、ただ時間軸ごとにピアフの人生が語られるのではなく、時代を交差させながら、彼女の人生を見つめる構成になっている。

「物語は回想仕立てになっているんですが、それはロジックとしてそうあるのではなく、彼女の感情の赴くままに回想が湧き上がってくるというエモーショナルな演出なんです。それは、彼女自身がエモーショナルな女性だったからなんです」

 本作が、ピアフの曲の素晴らしさを再認識させることは間違いない。

「この映画を撮るまで、いくつかの歌を知っているというだけのファンだったんですけど、彼女の歌が持っている濃密なインパクトは感じていました。実は、この映画の前にも、演技で自分の感情を高めなければいけないときに彼女の歌を聞いて、感情を盛り上げていたんです(笑)。彼女の歌にそんなパワーがあるからこそ、いろんな世代の人に、そして世界中の人に歌い継がれているのだと思います」

 劇場を出たとき、きっとあなたはマリオンが演じたピアフの姿を胸に、その歌を口ずさんでいるはず。




(本紙・秋吉布由子)

築地の魚市場に行きたい、というマリオン。「普段からよくラスパーユ通り市場とかには行くの。スーパーマーケットよりも好き。なぜかというと、過剰包装じゃないし、作っている人たちと話すことができるから。でも最近郊外に家を買って、そこに畑を作っているの。だから自給自足できるのよ(笑)」。マリオンはロハスな女優なのだ
『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』 監督:オリヴィエ・ダアン 出演:マリオン・コティヤール、シルヴィ・テステュー他 ムービーアイ配給/2時間20分/9月29日よりみゆき座他にて公開 http://www.piaf.jp/


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