
vol.324
薄れゆく…9・11の記憶
約3000人が犠牲になった2001年9月の米中枢同時テロから6年を迎えた11日、全米各地で犠牲者の追悼式典が行われた。ニューヨークでは再開発工事が本格化している世界貿易センタービル跡地(グラウンド・ゼロ)に代わり、近くの公園で犠牲者への祈りがささげられた。
ニューヨークの式典では同時テロの現場に真っ先に駆けつけた警官や消防士らが犠牲者2750人の名前を読み上げ、遺族らは献花のために短時間グラウンド・ゼロを訪れることを許された。ブルームバーグ市長は「市民はその場所が安全かどうか、どんな危険があるかよく分からないまま駆けつけてくれた。6年たっても私たちはあなたとともにある」と、救助に当たった人々らの勇気をたたえた。
今回の式典をめぐっては大手メディアが放送の短縮を初めて検討(後に撤回)、大掛かりな式典への市民の疑問も伝えられるなど、追悼のあり方を問い直す動きも出ている。10日付の米紙USA TODAYは約1000人に行った世論調査で今も71%が同時テロを「最も衝撃を受けた事件」と答える一方、「同時テロが今後の生き方にずっと影響を及ぼすことに否定的」な人が29%と3割近くにのぼり、2002年時点の18%から10ポイント以上増えたことを紹介した。ニューヨーク・タイムズ紙は2日付で「多くの人が(州と市が主催する)大々的な追悼式典を大げさでむなしく感じている」とし、今回初めて会場が変更されるのはこうした追悼式に否定的な人々の感情を映し出した部分があると説明した。