
vol.324
秋田連続児童殺害事件初公判
秋田県藤里町で昨年起きた連続児童殺害事件で、殺人と死体遺棄の罪に問われた無職、畠山鈴香被告(34)の初公判が12日、秋田地裁(藤井俊郎裁判長)で開かれた。畠山被告は「彩香を殺そうとしたことはない」と長女、彩香ちゃん=当時(9)=の殺意を否認、米山豪憲君=当時(7)=については「間違いありません」と殺害を認めた。
公判では、鈴香被告の刑事責任能力▽彩香ちゃんに対する殺意▽捜査段階での自白の任意性−などが争点。公判に並行して精神鑑定を実施することが決まっている。
鈴香被告は罪状認否で「米山さん、私の家族とも失ったものは大きい。両方の家族に謝罪しなければならない。かなわない願いだが、彩香をもう一度抱いてあげたい」と謝罪した。
弁護側は冒頭陳述で、父親による虐待や小学校時代のいじめが、鈴香被告の人格形成に影響を与えたと指摘。「肌の触れ合いを嫌う鈴香被告は、橋の欄干でしがみついてきた彩香ちゃんに驚いて左手で払ってしまった」として殺意を否認し、過失致死罪を主張。
豪憲君については「豪憲君をみて、彩香ちゃんの姿が浮かび、胸が締め付けられる思いがして、事件を起こすなら今しかないと思い、犯行に及んだ」と述べたうえで、犯行当時は心神耗弱状態だったと訴え、責任能力を争う姿勢を示した。
一方、検察側は冒頭陳述で、鈴香被告が子供に対する生理的な嫌悪感などから、死を願うほど彩香ちゃんへの疎ましさを募らせていたと指摘。「日没後で人目もない場所なら人知れず殺害できると考えた」とし、橋の欄干に座らせた彩香ちゃんがしがみついてきた際、力いっぱい押して突き落としたと述べた。
また、豪憲君については、彩香ちゃん殺害を隠蔽するために情報提供を求めるなどしたが無視されたと怒りを募らせ、「事件を起こせば社会に思い知らせてやることができる」と動機を示した。
畠山鈴香被告の今後の公判は、12月下旬に行われる予定の第12回公判で証拠調べを終え、年明けに検察側の論告求刑と弁護側の最終弁論が行われて結審。来年春にも判決が言い渡される見通し。