今週のTOKYO HEADLINE
vol.325
(2007.09/24-09/30)
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MOVIE vol.325

未来から過去へのタイムトラベル!? ニューアルバム『LOVE PiECE』発表

大塚 愛

大塚 愛のニューアルバム『LOVE PiECE』が完成した。元気印のシングル曲を中心に、彼女の本領が発揮されるドラマティックなバラード、そして“踊れるロック”調のものなど個性の強い楽曲が11曲。パズルと同じように、11のピースを組み合わせていくと、今の大塚 愛が聞こえてくる。

 インタビューに応じてくれた大塚 愛は、大人の女性の雰囲気を醸し出していた。『フレンジャー』や『PEACH』といったアッパーでポップなシングルを聞いていると、とことん元気という印象も強いが、25歳になった今、女性として、アーティストとして熟しつつある。的確な言葉をチョイスして、自分の音楽について話す。ところどころに“大塚 愛”な表現も差しこんで、記者を笑わせる余裕もある。

「最近すごい変わったなと思うのは、携帯を変えなくなったこと(笑)。昔は3カ月使ったら長い、早く新機種に替えたい!だったのに。もう疲れるというかそれでいいじゃんみたいな。なんか、新しいものよりも使い慣れているものって感じで」

 最近の恋愛観ついて聞いたのに、携帯電話の話に見事に置き換えた。

 さらさらと心地よく流れるトークの一方で、アーティスト活動は息もつかせない激流だ。今年もシングル『CHU-LIP』に始まり、『PEACH』、『HEART』と立て続けにリリース。ライブDVD、ベスト盤も発表した。その間にはライブ出演もあり……。いろいろな形で“大塚 愛”を次々と世の中へと送り出す。まさに、アーティストとして油がのっている。

 そんな状況のなかで制作されたのが、26日に発売される最新アルバム『LOVE PiECE』だ。「シングルを大事にしながら進んでいった結果、こういうアルバムにたどり着いたというのが一番正直な感じ」という本作は、アーティスト・大塚 愛が最大限に発揮されている。シングルを中心に個性のある11曲を収録。「1曲1曲が独立しているというか、孤島的。1曲で完成している」。それぞれの曲が1つのピース(PiECE)となって“大塚 愛”というパズルの完成形を構成している。

「(サウンドの)幅が広いのはいつもどおりなんですけど、(収録曲は)アルバム全体の方向性とズレない楽曲を集めようと思って。前作の『LOVE COOK』とは変わって、強く前向きだったり、目の強さという感じの楽曲が多くなったんじゃないかな。あと、意識はしてないんですけど、恋愛に執着せずに大きく見られた楽曲が多くなりましたね」

 カラフルな収録曲は、新たにレコーディングした「未来タクシー」から「恋愛写真」まで、「未来から過去へ流れていく感じで」並んでいる。

 ファーストトラックの「未来タクシー」は、ロックをベースにダンサブルな要素を取り込んだもので、現在のシーンで注目されている“踊れるロック”サウンドだ。

「いろいろな素材をミックスしたい気持ちがあって創った楽曲なんです。例えば、キックの音。途中から生に変わってたりするんです。ダンスっぽい感じについては、最初からこの楽曲をアルバムの1曲目にしたかったから、前に進んでいく感じを分かりやすく出すには、四分打ちかなって(笑)」

 初期の作品に比べると、格段に生音が聞こえてくるサウンドは、本人も言うが「人間臭さ」を感じる。それゆえに、ポップな楽曲もバラードも肌になじみやすい。そして、「より深みが増した」。だから「未来タクシー」のようなダンサブルで機械的になりがちな楽曲でも温かい。会いたいから会いにいくー。純粋な“こうしたい!”という大塚のボーカルが心地よくリピートするのもそのためだろう。

 さて、11の楽曲のなかで最も強烈な印象を与えるのが「クムリウタ」。大塚の真骨頂であるバラード曲だ。どこかにあるゴールに向かって前に進んでいくとき、必ず行く手に現れる障害。この楽曲で大塚は、そうした困難に立ち向かっていく誰か、そして自分に喝を入れる。「言葉で言い表しようのない楽曲」と、本人。

「いつもの曲創りのなかから生まれた楽曲ではあったんですけど、思い浮かんだ歌詞を書いているうちに、今までとは明らかに違うなって書き方をしているなとは感じていました。こんなにグッサリいってしまっていいのかなっていう感じもありましたね…。だからといって書き直すっていうのはないんですけど。こういった状況の時は、あえて優しい言葉をかけるよりも今は耐えろっていうほうの気持ちが強かったです」

 内省的でヘビーな楽曲でもある。こうした楽曲を綴りながらも、この対極ともいえそうなコミカルな「星のタンゴ」、そして蚊に対する恨みつらみをバチッとしたためた「蚊取線香」とつないでいく。彼女の言うが通り、1つの楽曲が孤島だが、それらが集まると大塚 愛になる。これこそが彼女の企みなのだろう。

「これから……う〜ん、目標というのはないかもしれません。ただ、やりたいことは“ちょっくら”あるくらい。その時思ったことをやっていきたいというのが信条です。ただ、今思っているのは、幅広い楽曲を1回のライブでやっているんですけど、曲の内容を重視して、分けてライブができないかなってこと。あとは、ヴィジュアル的に似合うんじゃないかと思って始めたバイオリンを、いつかレコーディングに入れられたらな」

「秋は…企みの秋。女性はいつも企んでますからね」と大塚。彼女の「企み」は、『LOVE PiECE』のなかにあるかも? 




(本紙・酒井紫野)

New Album 『LOVE PiECE』
CD+DVD:3800円(税込)  CD:3059円(税込)
初回盤には各々特典あり。CD+DVD盤には秘蔵お蔵入り映像「U-ボート」のミュージッククリップを収録。CD盤にはオリジナルフォトブックつき。すべてのCD+DVD盤、DVDには「HEART」と「クムリウタ」のミュージッククリップを収録!「HEART」を堤幸彦、「クムリウタ」を岩井俊二という豪華な監督陣が手がけている。
最新情報はオフィシャルウェブサイト  http://avex.jp/ai/


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