
vol.325
仏外相が対イラン「戦争も念頭」と警告
フランスのクシュネル外相は16日夜、仏ラジオ、テレビとの会見で、イラン核問題について、交渉による解決を目指すとしながらも、「われわれは最悪の事態に備えなければならない。最悪の事態とは戦争だ」と警告した。クシュネル発言は、あくまで最後の手段として武力による解決もあり得るという見解を表明することにより、イランに圧力をかける狙いとみられる。
クシュネル外相は会見で、「われわれは最後の最後まで交渉しなければならない」と述べる一方で、「(イランが核兵器を持つに至った場合は)世界全体にとって本当に危険だ」と強調した。
イランは、核兵器開発につながるウランの高濃縮活動を停止する動きを見せておらず、同国に経済制裁を科して活動停止に追い込もうとする米欧や国連などの取り組みはうまくいっていない。
外相は、欧州連合(EU)が国連安保理の枠外で独自の対イラン制裁を行うよう期待も示した。また、石油大手トタルやフランスガス公社(GDF)など、仏大手企業にはイランでの新規事業などに入札しないよう促したことを明らかにした。クシュネル外相は18日にロシアを訪れた際に、「戦争を避けるためあらゆることをしなければならない」とトーンを弱めて波紋の拡大を抑えようとしてはいるものの、フランスがサルコジ大統領の下で、急速に対イラン強硬姿勢に転じつつあることを示している。
28日にNYで外相会談
マコーマック米国務省報道官は18日の記者会見で、イランの核問題を話し合う国連安全保障理事会の常任理事国5カ国(P5)とドイツの6カ国の外相会合が28日、ニューヨークで開かれると発表した。イランは国際原子力機関(IAEA)と核開発をめぐる情報開示の日程を示す「行動計画」に合意したばかりだが、同報道官は、安保理決議に従わずウラン濃縮活動を継続するイランに対し追加制裁の早期採択を目指す方針を示した。
マコーマック報道官は会見で、「行動計画」について「十分とはいえない。安保理決議を前に進めるべきだ」と述べた。
これはIAEAとイランが秘密裏の交渉で合意した「行動計画」では、9月末までにイラン中部ナタンツのウラン濃縮施設の査察方法をIAEAと詰めるなどの日程は含まれているものの、国連が求めるウラン濃縮活動停止に言及していないため。米英仏独の4カ国の代表がエルバラダイ事務局長を訪ね共同で抗議したという。
エルバラダイ事務局長は、制裁だけでは解決しないとして対話の必要性を強調する。これに対し、米中東専門家は、イラン最高指導者ハメネイ師の外交顧問のベラヤティ氏がイラン学生通信に、「われわれは抑止力を持たなければならない」と述べたことを指摘。「イランの核計画追求は続いている」として、行動計画はイランに時間稼ぎをする口実を与えるだけだとしている。