
vol.325
世界柔道男子は“認識違い”でメダル2個
柔道の世界選手権は、男女各8階級の全日程を終えて閉幕。男子のメダル獲得数は過去最少の2個で、五輪種目7階級のうち北京への出場枠を確保できたのは2階級にとどまる惨敗だった。
100kg級の鈴木桂治(平成管財)が大外刈りをかけて捨て身技で敗れたシーンが象徴するように、日本の惨敗は“認識違い”が大きな要因になった。国際柔道連盟(IJF)の川口孝夫審判委員は「捨て身技は決めた側が優位。鈴木は最後の決めをしておくべきだった」と判定の傾向を指摘。対する日本国内の審判は、同じ国際ルールの下でも、「先に技を掛けたほうを取る」と斉藤監督。日本流に慣れた選手が海外で苦しむのも当然の流れだった。
とはいえルール認識のズレも問題なく、女子48kg級で2大会ぶりの優勝を果たした谷亮子(トヨタ自動車)のような選手もいることを忘れてはいけない。出産で2年のブランクがありながら2度の延長戦を戦い抜き、さらに優勝後には「もっといけた」と豪語して「選んでよかった」と吉村選手団長を喜ばせた器の大きさは、今大会で最大の輝きを放っていた。
全日本柔道連盟は今回の惨敗を受け、強化方針を根本から変えるという。少数精鋭で効率的に鍛え、欧州遠征などの経験を優先的に積ませるというが、北京五輪までに勝てる骨格を作ることができるか。お家芸の「日本柔道」は正念場を迎えた。