
vol.326
ミャンマー治安部隊が僧侶に向け発砲勢
燃料費の引き上げに端を発したミャンマー軍事政権を批判する僧侶と市民らによるデモは、連続9日目となった26日、軍事政権側の治安部隊がデモ隊に向け、実弾を発砲するなど武力鎮圧に乗り出した。この結果、僧侶を含め100人以上が死傷する流血の事態となり、重大な局面を迎えた。
治安部隊は26日午前、デモ拠点となっているヤンゴン中心部の仏塔シュエダゴン・パゴダの入り口を封鎖。さらに別の仏塔のスーレ・パゴダ方面に移動した僧侶や市民約7000人と衝突、発砲したほか、警棒で僧侶を激しく殴打し、催涙ガスも放った。
フランス通信(AFP)は、この衝突で僧侶3人を含む4人が死亡、約100人が負傷したと伝えた。AP通信は反政府側の話として死者は5人としている。当時の状況について、在ヤンゴン仏大使館の外交官はAFP通信に「治安部隊の発砲は最初は空中に、その後、デモ隊に対して行われた」と語った。
敬虔(けいけん)な仏教徒が国民の9割を占め、僧侶が尊敬を集めるミャンマーだけに、僧侶を殴打したり、引きずり回したりする治安当局者に対し、市民からは「愚か者、愚か者」との罵声が飛んだという。デモは26日夕に解散した。
軍政当局は25日夜、ヤンゴン市内に治安部隊を配置したほか、ヤンゴンと中部マンダレーに夜間外出禁止令を出し、5人以上の集会を禁じた。
このデモへの流血の弾圧の事態に、米国家安全保障会議(NSC)のジョンドロー報道官は、「軍政がミャンマー国民をこうした手段で扱うことに米政府は強い困惑を覚える」と論評、軍政当局に民主化を迫る考えを示した。これに先立つ25日の国連総会での演説で、ブッシュ米大統領は「軍政19年の恐怖支配に対する怒り」を表明、対ミャンマー制裁強化を宣言したが、当面は流血の拡大阻止をはじめ、軟禁中の民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー氏らの解放に向け、軍政への圧力を強める構え。
また 欧州連合(EU)も25日には、ミャンマー軍事政権が高まりつつある民主化運動を武力によって弾圧すれば制裁を強化するとの声明を発表していた。
ミャンマーでは1988年、26年間続いたネ・ウィン社会主義体制が民主化要求デモで崩壊したが、国軍によるクーデターで国家法秩序回復評議会(SLORC)が全権を掌握。デモ鎮圧の際、軍の発砲で約3000人が死亡したとされる。
9月26日(ブルームバーグ):国連安全保障理事会は26日、軍事政権に よる夜間外出禁止令が出たミャンマーの都市ヤンゴンで警察当局がデモ隊に暴行、少なくとも1人が死亡した事態を受け、緊急協議を開催した。
潘基文(バン・キムン)国連事務総長は、ガンバリ特使を再度ミャンマーに派遣する方針を決めるとともに、軍事政権指導部に対し「平和的デモに対する最大限の自制」を求めた。