
vol.327
ギネス確定!?『0093 女王陛下の草刈正雄』
主演 草刈正雄
日本映画界広しといえど、“00(ダブル・オー)”の称号がここまで似合う俳優といえば、この男しかいない。その名も草刈正雄!! 日本映画界の生きる伝説となった男が、14年ぶりの映画主演に挑む!
俳優・草刈正雄が実はスパイだった! という設定だけでもギャグだが、劇中は幼稚園児から大人までを笑わせる、高度かつベタな笑いが満載。主人公の0093・草刈正雄は、俳優活動の傍ら、レモン汁を目にかけられて「アフぃぃーっ」となりながらも、“人力スローモーション”で敵のナイフを避け、世界の平和と愛娘を救うのだ!
――爆笑しっぱなしでした!
「そう言ってもらえるとうれしいね。僕も最初に見たときは大笑いしてたんだけど何度も見すぎて、だんだん“コレ本当におもしろいのかな”…って(笑)。でも、ウチの子供たちにも見せたら、とてもおもしろがってくれて。若い子たちにおもしろがってもらえるというのはうれしいですよね」
――企画を聞いたときには、びっくりしたのでは?
「自分の名前がタイトルでしょ、こんなの世界の映画でもなかなか無い。すぐに、これはやりたい!と思いましたよ。それに監督やスタッフが『ケータイ刑事』でもよく知っている人たちだから、どういう映画になるか、すぐに分かりましたしね(笑)。気心知れている人たちとできるわけだし、これは楽しくなるぞ、と。実際、本当に現場は楽しかったですよ」
――とにかくおバカギャグ満載でしたが、草刈さんのアドリブギャグは?
「加藤淳也さんの脚本がとにかくおもしろかったし、篠崎誠監督もアイデアマンだからどんどん現場でおもしろいことを思いつくしね、僕が自分でアドリブを入れる隙間もないくらいでね(笑)ほとんどないんですよ。…まあちょっとはありますけどね」
――あるならぜひ教えてください!
「例えば、黒川芽以さん演じる記者が“草刈正雄”のインタビューに来るシーンで、僕が“こっちに座ろうか、それともこっち? こんな座り方もあるけど”と言ってなぜかいろんな座り方をしてみせるところとか」
――あのプロ的なギャグシーンは草刈さんのアドリブだったんですか!!
「あはは(笑)。いや、そんな計算されたものではないんだけど。でもそのとき、現場ではカメラマンさんが(笑いすぎて)揺れていました(笑)」
――実は、メインタイトルに名前(しかも本名)が入っている人が主役をやっているのは世界的に見てもこの映画が初めてらしいですよ。
「ああそうなんだ! それは誇れるなあ。よく映画監督は自分の作品が子供のようだって言うけれど、俳優にとっても同じなんですよね。この映画は僕にとって宝物なんですよ。一番最後に僕が映画の主演をやったのが14年前だったけれど、それがこの歳になってまた主演をさせてもらえるなんてね。それもまた、こんな“草刈正雄オンパレード”みたいな、僕のために作ってくれたような映画でね(笑)。本当に感謝、感謝ですよ。主題歌まで歌わせてもらってますから。徹底して“草刈正雄”な映画なんです(笑)」
――まさにギネス級の宝物ですね。
「テレビや舞台の仕事もしていましたけど、やはり映画って好きなんですよね。この映画に出るって決まったときから、半年以上ルンルン気分でしたね! 生きててよかった、って(笑)」
――ではその間、夢中で役作りを?
「いや、何もしてない(笑)」
――本作では、親子役で娘の麻有(まゆう)さんと共演しましたね!
「麻有のほうはやりにくかったと思いますよ。僕じゃなく黒川さんと一緒のシーンだと、生き生きしてましたから(笑)。まあ僕もね“それはまずいんじゃないか”なんてつい口出しをするもんだから…」
――劇中でもリアルな親子関係が…。
「実際にこの業界に進むということも、本人の強い意思によるもので…。オーディションを受けようとする麻有を止めるシーンがあるけど、実はあれは地でやっているようなものなんですよ(笑)。ちょうど反抗期だったんだよね…いや、まだ続いているけど(笑)」
――俳優としてのスタートを切った麻有さん。草刈さんもデビュー当時を思い出すのでは。
「思えば最初のデビュー作は篠田正浩監督の『卑弥呼』という映画だったんですけど、これがまた難解な映画でね(笑)。あれ以来、芝居って何だろうと考えながら仕事をしてきたけど、あるとき“一生懸命やるしかない”と思うようになって。それ以来、ただただ一生懸命にやってきたという、それだけですよ。そうやってきて今は演じることが楽しいんですよね」
――こうなると続編を期待せずにはいられません!
「こんな映画、他にないですからね。そもそも、僕らの年代の俳優というと、たいてい“お父さん役”が多いじゃないですか。それが007みたいなアクションや、女優さんたちとのラブシーンができたりね(笑)。この映画のおかげで、他の同年代の俳優さんたちも希望を持てるかもしれない。それで、コメディーもいいな、と思ってもらえればうれしいよね。女優さんたちも“マサオ・ガール”やりたいって思ってもらえれば(笑)。とにかく楽しんでできました。これでもう思い残すことはないっていうくらい。…あ、まだ死んじゃダメなんだ。続編で“0093は二度死ぬ”をやるためにも(笑)」
――草刈正雄なくしてありえなかった、究極のコメディースパイ映画。早くも続編を望む声が続出!!
(本紙・秋吉布由子)