
vol.327
寧辺核施設の無能力化などで北朝鮮が合意
[北京 ロイター]中国が発表した6カ国協議の合意文書によると、北朝鮮は、寧辺の核施設の無能力化やすべての核計画を年内に申告することで合意した。今後は北朝鮮による履行が焦点となる。
合意を受け、北朝鮮には将来的に見返りとして重油100万トンに相当する支援が与えられ、米国は北朝鮮のテロ支援国家指定解除に向けて動くことになる。
6カ国協議は30日、各国の首席代表が共同文書案を本国に持ち帰って承認を得るため、2日間の休会に入っていた。共同文書は、各国代表が調印した後、議長国の中国が発表した。北朝鮮は対象となるすべての核施設を無能力化し、2007年12月31日までにすべての核計画の完全かつ正確な申告を行うことに合意した。
今回の合意について、日米政府からは評価の声が聞かれた。ブッシュ米大統領は合意を歓迎するとし、町村信孝官房長官は「最終的に日本が評価できる内容だ」と述べた。
米国は他の5カ国の要請により無能力化に向けた活動を主導、当初資金を提供する。さらに、無能力化への準備のため2週間以内に訪朝する専門家グループを米国が主導する。
北朝鮮は、核物質・技術およびノウハウを移転しないとの約束を再確認した。
一方、米国による北朝鮮のテロ支援国家指定解除の具体的時期は文書に盛り込まれず、北朝鮮の行動と並行してコミットメントを履行するとの表現にとどめた。
ブッシュ大統領は前週、北朝鮮に対する2500万ドル相当の支援提供を承認、これにより5万トンの重油が北朝鮮に提供されることになる。中国や韓国はすでに燃料供与を実施、ロシアも今後同様の措置をとる見通し。日本は拉致問題の進展がなければ参加しないとしている。
日本政府は今回の合意文書について一定の評価を下し、北朝鮮との拉致問題をめぐる協議が加速することにも期待を示した。
先の6カ国協議では、北朝鮮首席代表の金桂寛外務次官が全体会合で、日朝関係改善への意欲をみせた。公式会合で北朝鮮がこうした姿勢をみせたのは異例で、政府内には、北朝鮮との対話を重視する福田康夫首相の登場で、北朝鮮が「拉致問題は解決済み」という態度を和らげることへの期待も出ている。
ただ、今年9月の日朝作業部会でも具体的な成果は出ずじまい。譲歩する気配を見せて先に「見返り」を要求するのが北朝鮮の常套手段ではある。
一方、政府は3日、拉致問題などの進展がないことを受けて、13日に期限が切れる北朝鮮に対する制裁措置の半年間再延長を、9日の閣議で決定する方針を決めた。