
vol.331
守屋氏証人喚問で国会議員の接待同席浮上
衆院テロ防止特別委員会(深谷隆司委員長)は29日、守屋武昌前防衛事務次官(63)を証人喚問した。守屋氏は防衛専門商社「山田洋行」の宮崎元伸・元専務(69)から接待などを受けたことは認めたが、「便宜供与の認識はなかった」と述べた。
29日の証人喚問で守屋氏は、宮崎氏との宴席の場に防衛庁長官経験者を含めた国会議員の同席が複数回あったことも証言したが、具体的な氏名は「記憶がはっきりしない」と明言を避けた。
ただ守屋氏は宮崎氏のゴルフ接待で偽名を使い、11年間で200回以上にわたりプレーしたことを認めた。さらに宮崎氏の丸抱えで北海道や九州へのゴルフ旅行やゴルフセットの受領、賭けマージャンを行っていたことも認め、「配慮を欠いた不適切な行為で、深く反省している」と述べた。退職金の返納を検討する考えも示した。
このほか守屋氏は、次期輸送機(CX)のエンジン納入をめぐり、宮崎氏が設立した防衛商社「日本ミライズ」との随意契約の可否を部下に相談したとされる疑惑については「まったく記憶にない」と述べた。
東京・市谷の防衛省ではこの日、事務方職員や制服自衛官らが仕事の手を休め、テレビ中継を見守る姿が目立った。度を超した関係を淡々と認める姿に「いい身分だな」「毎週末に遊んでいたことを認めたのか」と突き放す声が飛んだ。
インド洋での補給活動をめぐる問題で厳しい立場に置かれた海上自衛隊の幹部は「質問者がもっと踏み込んで聞くと思っていたのに、甘いんじゃないか」と、追及の手ぬるさへのいらだちさえ口にした。
陸上自衛隊幹部は「許せない」のひと言。航空自衛隊幹部は「防衛省と自衛隊の大きな転換期にかじ取り役の立場だっただけに、きちんとしていてほしかった」とあきれ返った。
増田好平事務次官は証人喚問後に記者会見し、「私の前任の人であり、役人として4年先輩。いくつかのポストで私の前々任であるような人。ああいう立場での喚問を目にすると、なかなか言葉では言い表しにくいが、大変残念なことという気持ち」と複雑な表情で感想を語った。
防衛庁長官経験者ら政治家の接待への同席が明らかにされたことで国防関係議員らに注目が集まった。29日夜、麻生太郎前自民党幹事長、平沼赳夫元経済産業相ら「士志の会」に顔を出した久間章生元防衛相は記者団に「私は宮崎、守屋両氏とはゴルフにも行っていない。宮崎氏とメシを食ったことはあるが、守屋氏と一緒ではない」と釈明した。自民党内では「守屋氏と最も太いパイプを持つのは(元副総裁の)山崎拓氏だ」(幹部)との声もあるが、山崎氏は沈黙を守っている。衆院テロ防止特別委員会で与党筆頭理事を務める中谷元・元防衛庁長官は国会内で記者団に問われ「山田洋行なる人物には一度も会ったことはありません」。別の長官経験者は「自分まで疑われるのは心外だ」と憤慨してみせた。
翌日には偽証疑惑
防衛専門商社「山田洋行」の宮崎元伸・元専務(69)が設立した「日本ミライズ」の社員が今年1月、航空自衛隊次期輸送機(CX)のエンジン調達に関する会議に部外者であるにもかかわらず出席したことが防衛省内で問題になり、一連の経緯が守屋武昌・前防衛事務次官(63)にも報告されていたことが30日、複数の関係者の証言で明らかになった。この問題について守屋前次官は証人喚問で「承知していない」と証言しており、明らかな食い違いがあることから、守屋前次官の偽証の疑いが浮上した。
退職金強制返納へ法改正検討
政府は、国家公務員が退職後に不祥事が判明した場合、支払った退職金を強制的に返納させる制度導入に向けて法改正の検討に入った。二橋正弘官房副長官が29日の記者会見で明らかにした。守屋武昌前防衛事務次官のゴルフ接待問題の発覚などを受けての措置。
現行制度では、退職した公務員の不祥事が明らかになった場合、退職金については禁固刑以上の刑事罰が確定したケースに限り原則全額返納を規定しており、刑事罰が確定しなければ、返納は本人の自主的判断となっている。このため、平成19年度人事院勧告を取り扱う給与関係閣僚会議でも、閣僚から現行制度で十分なのか検討が必要との指摘があった。