
vol.334
A TRUE LOVE STORY
庄司智春
人気お笑いコンビ「品川庄司」の庄司智春が日本を涙させる。先日発売された小説『交換日記/花のことば』は、純粋でロマンティック。男も女も、老いも若いも、自然と目頭が熱くなる作品で…。
もう、筋肉だけとは言わせない!?
純愛小説『交換日記/花のことば』を発売
品川庄司のツッコミ担当。ことあるごとに鍛え上げられた自慢の体を見せつける。本人には失礼だが、筋肉芸人のイメージが強い。そんな彼がなんと小説を書いた。それも、ボケも突っ込みもない、ストレートな恋愛小説だ。
「最近“これで芸人作家の1人になられましたね”とか言われるんですけど、僕はそういう方とはちょっと違うんじゃないかなって思うんですよね。僕の場合はハプニングですから」
きっかけは人気バラエティー番組の「ロンドンハーツ」だった。番組内の企画で、3人のお笑い芸人が小説を書いた。作品は「別冊カドカワ」に掲載されるという話で、書き手はかなり真剣に取り組んだのだが、そこはバラエティー。後にドッキリ企画であることを知らされた。
「これまで小説を書いたこともないですし、ネタも相方の品川が書いてますからね。最初は、なんで自分に話が来るんだろうと思いましたよ。とはいっても、企画ですから…とりあえず書き始めたんです。大変なこと? そうですね、ばれないようにやってくれという約束だったんですよ。僕は、普段書き物なんてしないし、パソコンも使ってないんで、楽屋で何か書いている素振りを見せたらまず疑われると思って、携帯でメールのふりをしながら書きましたね。あとは、誰にも相談できなかったことですかね」
そんな心配は杞憂に終わった。自分ひとりの力で書き上げた処女作「花のことば」。うだつの上がらない、不器用な40男が恋する姿に多くが涙した。
「恋愛小説を書くってことで、自分の経験を小説にするのもいいですよっていわれたんですけど、それは恥ずかしいですからね。それで、参考にしたのが、昔考えていたアイデアなんです。今はもう辞めちゃったんですけど。僕よりもずっと年上の後輩がいたんですね。すごくさえない感じで、じじいみたいだった(笑)。その人と楽屋でムダ話をしていたときに、そういう人が主役の映画とかあってもいいねってことになって、いろいろ設定を考えたりしたんです。でも、それはアイデアだけで発表する場もないし。小説になるなんて考えてもいなかった」
書籍化にあたり、2作目「交換日記」も書き下ろした。「長く一途に1人の人を愛するっていうのは……きれいごとだけれど、美しいじゃないですか。それをどうにか表現したかった」と、本人。誰にも隠さず正々堂々、携帯、原稿用紙、パソコンを駆使して書き上げたという本作は、目頭の熱くなるストーリーもさることながら、格段に洗練された文体や構成に驚かされる。
「こうやって取材をしていても、どこかでカメラが回ってるんじゃないかって思わずにはいられないんです」。取材を終えようかというときに庄司が言った。しかし、もうそんな心配をすることはない。ハプニングで、これほど感動する作品を2作も書き上げることはできない。つまり、彼は書くべき人だった――この作品を手にとってくれた人ならは、そう感じるはずだ。
(本紙・酒井紫野)
『交換日記/花のことば』 庄司智春
発行:(株)角川ザテレビジョン 価格:1200円(税込)
処女作「花のことば」は、花屋で働く40歳の男が主人公。夜間制の高校に通う彼の生活は、あることがきっかけで色づきはじめ、号泣のエンディングに続く純愛作品。今回書き下ろされた「交換日記」を含め、涙なしには読めない感動の愛のストーリー。
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