
vol.335
イスラエルとパレスチナ自治政府が本格交渉へ
44カ国が参加して11月27日、米東部メリーランド州アナポリスの海軍士官学校でパレスチナ国家樹立に向けた中東和平国際会議が開催された。ブッシュ米大統領はあいさつで、2008年末までに2つの国家共存という「共通の目標」を達成することを目指し、イスラエルとパレスチナ自治政府が12月から本格交渉に入ることで合意したと発表した。交渉を開始すべきだとする理由について、(1)イスラエル、パレスチナ双方の指導者が和平実現に向けた決意を持っている(2)中東の将来に向けた戦いが進行中で、過激主義者に勝利させるわけにはいかない(3)国際社会が交渉を支援する緊急性を認識している−ことなどを挙げた。
会議開催に先立って、大統領とイスラエルのオルメルト首相、パレスチナ自治政府のアッバス議長の3者会談が行われ、共同声明の最終的な調整を行った。
声明発表では合意したものの国境線画定、聖地エルサレムの帰属、パレスチナ難民の帰還権などの「核心問題」について具体的な成果は盛り込まれない見通しで、今後の交渉に委ねられた格好。
ブッシュ大統領は26日のオルメルト首相との会談を前に、サウジを含めた多くの国が会議に参加したことを踏まえ、記者団に「私は楽観的だ」と語ったものの、アッバス議長はガザ地区の支配権をイスラム原理主義組織ハマスに奪われているほか、オルメルト首相の政治基盤も弱い。
大統領は26日夜の夕食会で、「目標達成には困難な妥協を求められる」と述べたが、双方が交渉をまとめることができるか懐疑的な見方も強い。
イスラエルとパレスチナ双方は今後の交渉の進め方を協議する「運営委員会」を設置、初会合は12月12日にエルサレムで開かれる予定だ。だが、過去にはロードマップは入り口で双方の言い分が対立し、一度も実質交渉に入れなかった。
またパレスチナ情勢は、アッバス議長率いるファタハが主導権を握るヨルダン川西岸と、イスラム原理主義組織ハマスが実効支配するガザ地区に分裂するなど大きく変化しており、双方が何らかの合意に達しても、それを実現できるのか不安は残る。
パキスタンに選挙前の非常事態宣言解除要請
[ワシントン ロイター]ブッシュ米大統領は28日、パキスタンのムシャラフ大統領に対し、来年初めに予定されている選挙の前に非常事態宣言を解除するよう要請するとともに、ムシャラフ大統領が軍参謀長の辞任を決定したことを歓迎した。
ブッシュ大統領は、米CNNテレビとのインタビューで「彼は、制服を脱ぐとわたしに言った。それを実行したことを歓迎する」と述べた。ただそのうえで、パキスタンが民主主義の道に戻るためには、選挙前に非常事態宣言を解除する必要がある、と指摘した。