
vol.335
大相撲・九州場所はため息まじりの白鵬V
大相撲九州場所は25日、福岡国際センターで千秋楽を行い、横綱白鵬が2場所連続5度目の優勝を果たした。この日は3敗の大関千代大海が休場したことで、結びの一番を待たずに白鵬の優勝が決定。賜杯を争う力士の不戦敗で取組前に優勝が決まったのは、不戦勝制度が確立された昭和3年以降では初めて。
千代大海の休場がアナウンスされると、場内がため息に包まれた。優勝争いの興味は消え、白鵬は結びの一番で琴光喜に裏返される屈辱的黒星を喫した。
不祥事続きだった角界の1年を象徴するような、締まりのない千秋楽。今年は八百長疑惑が裁判沙汰となり、時津風問題も司直の手に委ねられている。さらには朝青龍騒動では横綱の地位を汚した。土俵外のトラブルは未解決で、北の湖理事長が繰り返す「土俵の充実」も図られない――。
千代大海の師匠、九重親方は「残念ながら休場した」と説明したが、大事な一番を取らずに場所を終えた弟子に対し、苦々しくも思っているだろう。不可抗力で故障した千代大海に、「はってでも出ろ」と望むのは酷かもしれない。しかし、ファンが求めているのは、気迫そのものである。