
vol.336
露下院選で与党圧勝!! プーチン大統領“院政”へ着々
2日に投開票が行われたロシア下院選で、与党「統一ロシア」が圧勝した。これを受け、プーチン大統領は来年5月の2期目の任期満了で退任した後も権力を保持すべく、後継体制づくりを本格化させるとみられる。
中央選管によると、開票率97.8%の時点で、得票率は統一ロシア64.1%、ロシア共産党11.6%、自民党8.2%、公正ロシア7.8%。最低ラインの得票率7%を超え、新下院で議席を獲得するのはこの4党だけとなった。プーチン氏はこれにより、共産党を除く自らの翼賛3政党を合わせ4分の3以上の下院議席を占めることとなった。これは、大統領弾劾手続きや憲法改正を可能とし、来春誕生する後継大統領が裏切らぬよう、にらみを利かせることができる議席。
「統一ロシア」のグリズロフ党首(下院議長)は2日、「投票によってプーチン氏が国民の指導者で、国民が彼の路線を支持していることが確認された。彼の路線は続く」と“勝利宣言”、プーチン氏が大統領退任後も、実質的な指導者として君臨し続けるとの見解を改めて表明した。
プーチン氏は、来年3月に予定される大統領選までに意中の後継候補を指名、その人物に権力を継承する考えで、統一ロシアが17日に予定する党大会が注目される。
毒殺事件で疑惑のルゴボイ氏も当選
ロシア連邦保安局(FSB)元幹部のリトビネンコ氏毒殺事件で、英国が容疑者と断定している旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身の実業家、ルゴボイ氏が、下院選で当選した。同氏は極右政党・自民党の比例代表名簿2位に登載されていた。ルゴボイ氏はこれまで「私は本当に議員になりたい」と発言。同氏は議員の不逮捕特権を狙い出馬したと指摘されており、議員に就任すれば、身柄の引き渡しを求める英国との関係がいっそう険悪化するのは必至だ。
「選挙は公正ではない」の声
ロシアの下院選挙に対して、選挙監視を行った欧州安保協力機構(OSCE)と欧州評議会の各議員会議は3日、「選挙は公正でなく、民主的選挙の基準に達していない」とする合同声明を発表。その根拠として「行政機構・資金の悪用、与党寄りの偏向報道、政治的多元性に影響を与える選挙法制」を挙げた。
米国やドイツの政府スポークスマンも、ロシアが選挙の不正について徹底調査するよう強く促した。
これに対し、ロシア外務省は「多くの選挙監視団は選挙が自由、円滑、公正に行われたと肯定的に評価している」とする反論声明を発表した。これは、ロシアと友好関係にあり、加盟国の多くが権威主義・独裁国である上海協力機構(SCO)や独立国家共同体(CIS)の監視団が出した評価を念頭に置いている。
声明はさらに、OSCEなどの評価には「事実関係の裏付けがないスローガンの羅列がある」と指摘している。