
vol.337
ブッシュ大統領がサブプライム対策で返済金利5年凍結 米欧5中銀が資金供給へ
低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)の大量焦げ付き問題で、ブッシュ大統領は返済金利の5年間凍結を柱とする対策を発表した。変動金利への移行で返済困難に直面する借り手を対象にしたもので、借り換えや支払い条件の変更などで最大120万人が、住宅差し押さえの危機を回避できるとしている。
2005年1月から07年7月までに融資を受け、08年1月から10年7月までの間に固定金利の期間が終わって変動金利に移行するサブプライムローンの借り手が対象。借り換えができず、変動金利移行後の返済にも耐えられない借り手が、5年間の金利凍結措置を受けられる。
ただ、金利凍結には過去に返済が60日以上遅れた経験がないなど一定の信用力が必要。条件を満たさず、支払い条件の変更もできない借り手は結局は住宅差し押さえになるとみられ、民間アナリストは数十万人規模とみている。
公的資金投入を拒むブッシュ大統領は民間主導の救済を強調するが、解決には政策の総動員が求められる。
米欧協調し資金供給
米連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)、英、カナダ、スイスの5つの中央銀行は12日、米国のサブプライムローン問題に端を発した金融市場の混乱に対応するため、共同で短期金融市場に資金供給を行うと発表した。これら5中央銀がサブプライム問題で協調するのは初めて。中央銀がこうした協調行動をとるのは極めて異例だ。
資金供給にあたっては、より多くの金融機関に幅広い担保を認める。FRBは資金供給を17日から開始。初回は200億ドル(約2兆2000億円)を、2回目は20日から最大200億ドルの資金を市場に投入する。
ECB、スイス国民銀行はFRBと半年間にわたりドル資金を融通し合う。
日銀は12日夜、5中央銀の市場安定化策を歓迎すると発表した。記者会見した稲葉延雄日銀理事は、「日本の短期金融市場は落ち着いているが、今後とも適切な金融市場の調節を通じて市場の安定に努めていく」と語り、日銀も欧米の中央銀行と協調行動をとる考えを表明した。
3大邦銀に協力要請
サブプライムローン問題に伴う信用収縮対策として米大手金融機関が設立を進める共同基金に対し、三菱UFJフィナンシャル・グループなど日本の3メガバンクグループが金融面などで協力要請を受けていることが、12日分かった。基金に対する融資枠の設定や信用補完などで協力する案が有力になっている。
要請されたのは三菱UFJのほか、みずほフィナンシャルグループ(FG)と三井住友FGの3社で、融資枠の規模などは未定。基金への出資は見送られる見通しだ。