
vol.338
「救済範囲限定」で薬害肝炎の和解協議決裂
薬害C型肝炎訴訟の和解協議をめぐり、20日午前、舛添要一厚生労働相が対応策を発表した。
国側は救済範囲を限定する姿勢を崩さなかったため、和解交渉は決裂した。
19日には国側の担当者と原告弁護団が直接話し合い、弁護団は、平均で1500万円の和解金を被害者全員に一律で支払うことを求める原告側の「最終回答」を伝えた。国は救済対象を限定した上で平均2000万円を支払うように提案していた。
首相は19日夜、和解協議への対応について、首相官邸で記者団に対し「専門家が検討している最中だ。結果をみて判断する」と述べた。その後も二橋正弘官房副長官らと断続的に協議するとともに、厚労省に対応策をまとめるよう指示した。
首相は就任直後から薬害肝炎問題の解決に意欲的で、11月1日には舛添氏に「人命を大事にするという原点を踏まえた」対処を検討するよう指示したが、厚労省から「一律救済」に数兆円かかるとの報告を受けていた。大阪高裁の和解案が出た後の14日には、一律救済について「税金を預かっているから(国民に)説明できないといけない」と慎重な発言に終始した。
数兆円かかるとの厚労省の見立てについて自民党内には「肝炎患者全員(約350万人)を対象にせず、原告が求める薬害患者の約1000人だと額ははるかに少ないはずだ」(閣僚経験者)と疑問視する声もあった。