今週のTOKYO HEADLINE
vol.338
(2007.12/24-2008.01/06)
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Sports vol.338

Sports 2007 10大ニュース!

日本サッカーに「オシムショック」

「考えて走るサッカー」をはじめとした理念がようやく日本代表に根付き始めたその時、指揮官のイビチャ・オシムが病魔に襲われた。11月16日、千葉県内の自宅で倒れたオシム監督は急性脳こうそくと診断。直前まではACL決勝に顔を出すなど精力的に活動していただけに、生命も危ぶまれる深刻な病状は国内外に大きな衝撃を与えた。
 2010年W杯3次予選を来年2月に控える日本代表にとって、指揮官の長期間の不在は許されない事態。サッカー協会は素早く決断を下し、W杯フランス大会を率いた岡田武史氏を新監督に決めた。一方、道半ばで“前監督”となったオシム氏の病状は次第に好転。「冷たくなければアイスじゃない」と“オシム節”が戻るなど順調な回復を見せているが、激務を強いられる現場復帰は当分難しい情勢となっている。
 オシム前監督の意識が戻った直後の第一声は「試合は?」だったという。それほどサッカーに情熱を注いだ指揮官の思いを、2008年の“岡田ジャパン”は受け継ぐことができるか。「使命感を感じる」と就任会見で語った岡田監督の背負うものは大きい。
大相撲が「問題のデパート」状態に

 白鵬の昇進により、22場所ぶりに東西横綱がそろった今年の大相撲だったが、そんなニュースを吹き飛ばす不祥事の連続が角界を暗く覆った。
 年明け早々に報道された朝青龍の八百長疑惑は激震の入り口に過ぎなかった。7月場所で3場所ぶりに優勝して健在ぶりを証明した朝青龍が、負傷を理由に場所後の巡業を欠場している間、母国モンゴルへ無断帰国。そこで中田英寿氏らとサッカーに興じていたことが発覚し、2場所出場停止という厳重な処分を受けた。さらに渦中の横綱はこの厳罰に動揺。解離性障害という診断を受けモンゴルへ帰国するドタバタぶりだった。
 そんな「朝青龍問題」よりも深刻だったのは、時津風部屋による序ノ口力士の集団暴行致死事件。「かわいがり」と称して後輩力士を金属バットで殴打するなど、部屋ぐるみの凄惨なリンチの実態が明るみになるにつれ、国技への信頼は地に落ちていった。
 文字通りにどん底だった2007年の相撲界。土俵の充実が人気回復には欠かせないものの、そのカギを握るのはやはり朝青龍というところがまた皮肉なところだ。
「内藤vs亀田」で大騒動ボッ発

 過激なパフォーマンスでボクシング界に世間の注目を集めていた亀田家が、大一番でとんでもない“事件”を引き起こした。WBC世界フライ級タイトルを獲得した内藤大助が10月11日、3兄弟の二男・亀田大毅と対戦。試合は最強王者ポンサクレックに勝利した33歳の王者が大毅を圧倒し、3−0の大差判定で初防衛に成功した。
 内藤は勝利者インタビューで「国民の皆さんの期待に応えられた」と控えめに喜びを語ったが、決戦の後には大毅によるボクシングを逸脱した反則行為が大きな批判を呼んだ。バッティングやサミング、投げといったラフな戦いぶりに加え、セコンドの父・史郎氏らが反則を指示していたという疑惑も浮上。一連の騒動を受ける形で、日本ボクシングコミッションは史郎氏のライセンス無期限停止、大毅へのボクサーライセンス1年停止など厳しい処分を下した。
 その後は長男の興毅、そして張本人の大毅が謝罪会見を行ったことで激しいバッシングは沈静化に向かっているが、マスコミによる“スターシステム”の問題点が「亀田問題」で改めて浮き彫りになったことも記憶にとどめておくべきだろう。
浦和が日本初のアジア王者に

 浦和レッズが日本サッカー史に新たな勲章を加えた。11月14日に行われたアジアチャンピオンズリーグ(ACL)第2戦で、浦和はセパハンを2−0で下し、悲願のアジア制覇を達成した。日本勢で初めてACL優勝を果たした浦和はクラブW杯にも参戦。ACミランには敗れたものの、3位決定戦でエトワール・サヘルにPK戦で勝利し“世界3位”の座を手に入れた。頭ひとつ抜けた戦力、そして最強のサポーターもフィーチャーされた2007年は、浦和が世界基準での「ビッグクラブ」への道を歩みだした1年となった。
松坂がメジャー1年目で世界一に

「1億ドルの男」「ジャイロボールの使い手」など、米メディアを騒然とさせた松坂大輔が、メジャー1年目でいきなり世界の頂点に立った。レギュラーシーズンを15勝12敗の成績で終えた松坂は、プレーオフでも先発ローテーションの一角として活躍。ロッキーズとのワールドシリーズ第3戦では日本人投手初となる勝利を挙げ、レッドソックスの世界一に貢献した。期待されていた新人王こそ逃したものの、メジャー慣れした2年目はさらに“怪物”の実力をアメリカの地で見せつけることになる。
旗揚げ10年でPRIDEが事実上の消滅

 1997年、高田延彦とヒクソン・グレイシーの対戦で産声を上げた「PRIDE」の事業を引き継いだ「PRIDE FC ワールドワイド」の日本事務所が10月4日に突然の解散。日本の総合格闘技ブームの火付け役となったイベントが、旗揚げから10年で事実上消滅した。大みそかに行われる「やれんのか! 大晦日! 2007」が旧PRIDE勢が集まる“最終興行”となるが、K-1、HERO'Sを主催するFEGなどとの「大連立」も同イベントでは実現するなど、1年の最後に格闘技人気復活へ向けた明るい材料も見えた。
中日ドラゴンズが53年ぶり日本一に

 11月1日に行われた日本シリーズ第5戦で、中日ドラゴンズが1−0で勝利。1954年以来となる日本一に輝いた。完全試合を目前にした先発・山井の降板は賛否両論を巻き起こしたが、勝利を徹底的に追求する“オレ竜”を愚直に貫いたことが日本一の原動力となったことは間違いないだろう。中日はアジアシリーズでも優勝し、ロッテ、日本ハムに続く日本勢の3連覇も達成。来季はMLB入りが決まった福留や五輪期間に抜ける主力選手の穴をいかに埋めるかが連覇のカギを握りそうだ。
スポーツ界の“ドーピング禍”止まらず

 2007年はスポーツのフェア精神を根本から揺るがせるニュースが相次いだ。MLB通算本塁打記録を打ち立てた“大本命”のバリー・ボンズは薬物使用に関する偽証罪で起訴され、陸上界の女王マリオン・ジョーンズは薬物使用を告白し、公式記録を抹消された。さらに年の瀬の今月には、禁止薬物使用選手の実名を記載した報告書「ミッチェル・リポート」が公表され、日本球界にも大きな波紋を呼んだ。来年に尾を引きそうなドーピング問題、いつになったら“打ち止め”の時期が来るのだろうか…。
F1にハミルトン旋風

 皇帝ミハエル・シューマッハーが去った2007年のF1界に、新たなヒーローが出現した。マクラーレンの秘蔵っ子としてデビューを果たした22歳のルーキードライバー、ハイス・ハミルトンは、開幕戦オーストラリアGPで3位表彰台という快挙を達成すると、開幕戦から9戦連続表彰台という前人未到の記録を打ち立てた。年間王者こそキミ・ライコネン(フェラーリ)に譲ったものの、“シュー以後”のF1史に名を刻むドライバーとなることはほぼ確実。来年以降のさらなる飛躍に注目だ。


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