
vol.339
福田首相初訪中の成果やいかに
最大課題ガス田問題具体策なし
12月27日から30日の日程で中国を訪問した福田康夫首相は28日、温家宝首相、胡錦濤国家主席と相次いで会談。温首相との会談では、東シナ海のガス田開発問題に早期の解決策を見いだすことで一致した。首脳会談で合意した来春の胡主席訪日までに解決を目指す方針だが、具体策は決まらなかった。台湾が来年3月に予定している台湾名義での国連加盟の是非を問う住民投票に対しては、福田首相は「一方的な現状変更の試みには支持できない」と明言し、初めて住民投票に難色を示した。
人民大会堂で約2時間行われた温首相との会談で福田首相は、昭和53(1978)年の日中平和友好条約締結から30年を迎え、主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)や北京五輪が行われる来年を「日中関係飛躍の年」と位置づけ、「両国は大きなチャンスと責任に直面している。アジアと世界の未来のため責任ある立場で協力したい」と述べた。
地球温暖化では、福田首相が「主要経済国が責任ある形で参加する実効的な枠組みが必要だ」と訴えた。温首相も「責任ある態度で国際社会に参加し、気候変動に関する措置を真剣に履行したい」と応じた。
両国の共通の利益を目指す「戦略的互恵関係」を具体化させる策では、福田首相は環境・エネルギー分野で今後3年間に中国人研修生1万人を受け入れることを表明。人民解放軍の若手将校を日本に招き、自衛隊の若手幹部や有識者らとの交流を実施する。
両国間の懸案となっているガス田開発では、会談後の共同記者会見で福田首相は「相互理解が一層深まった」、温首相は「一歩前進した」とそれぞれ述べた。ただ会談直前まで行った次官級協議でも一致点は見いだせず、首脳会談では早期解決を目指す「新たな共通認識」を確認するにとどまった。
台湾問題では、福田首相が台湾独立を支持しないとする日本政府の従来の姿勢を改めて表明した。北朝鮮問題では、温首相が日本人拉致問題解決への協力を改めて表明し、核放棄に向け6カ国協議を通じて連携を強めていくことで一致した。