
vol.340
「景気下振れ」へ 日銀が展望リポート中間評価で指摘
日銀が21、22日に開く金融政策決定会合で、昨年10月に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の見通しより日本の景気が下振れしているとの中間評価を下す公算が大きくなった。住宅不況や原油高で企業の景況感は悪化しており、景気の減速を指摘する可能性が高い。金融政策の土台となる展望リポートのシナリオが色あせ始めたことを示しており、日銀の望む追加利上げの見送りが長引く可能性も出てきた。
建築基準法の改正で住宅着工前の検査が厳しくなり、昨年11月の新設住宅着工件数は、前年同期比27%減と大幅に減少。鉄鋼や金属など関連業種を含め、内需の落ち込みが深刻化している。
資源価格の高騰も影響が大きい。ニューヨーク市場の原油先物相場が年初に一時、1バレル=100ドルを突破。昨年12月の日銀企業短期経済観測調査(短観)でも、大企業製造業の景況感が3四半期ぶりに悪化した。米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題に伴う金融市場の動揺も続き、日本の実体経済への波及も懸念される。
日銀も、月ごとの景気認識を示す「金融経済月報」で、昨年12月に景気判断を「減速している」との表現で約3年ぶりに下方修正した。
日銀は昨年10月に公表した展望リポートでも、平成19年度の実質国内総生産(GDP)の伸び率予測を下方修正した。
展望リポートの中間評価はリポート自体の修正作業ではないが、日銀のシナリオ通り経済が推移しているかどうかを点検するもの。今回の中間評価では、金融経済月報の景気判断をほぼ踏襲する見通し。景気の拡大基調への見方は変えないが、減速感を踏まえ、日本経済が下振れしているとの見解を示す可能性が高い。