
vol.341
欠陥隠しの元三菱自動車幹部に有罪判決
山口県で平成14年、三菱自動車製大型トラックがクラッチ系統部品の欠陥で暴走し、鹿児島県の運転手=当時(39)=が死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた三菱自元社長、河添克彦被告(71)ら元役員4人の判決公判が16日、横浜地裁で開かれた。鈴木秀行裁判長は「事故防止の注意義務を怠り、不具合を漫然と放置した結果、男性運転手を死亡させた。代表者としての自覚に欠けた無責任な態度」と指摘し、河添被告に禁固3年、執行猶予5年(求刑禁固3年)など、4人全員に有罪判決を言い渡した。
一連の欠陥隠し問題に絡み、起訴された元幹部らが検察側と全面対決している3件の刑事裁判で、最後の1審判決。欠陥車による死亡事故でメーカートップの有罪判決は初。無罪を主張していた4人は即日控訴した。
ほかに判決を受けたのは、三菱自元取締役で大型車部門の最高責任者だった村田有造被告(70)=禁固3年、執行猶予5年(求刑禁固3年)▽三菱ふそうトラック・バス(商用車部門が三菱自から分社)元会長、宇佐美隆被告(67)=禁固2年、執行猶予3年(求刑禁固2年6月)▽三菱自元品質・技術本部副本部長、中神達郎被告(65)=禁固2年6月、執行猶予4年(求刑禁固2年6月)。
判決理由で鈴木裁判長は「三菱自は経費の節約とブランドイメージを守る目的で長年、不具合情報を秘匿」と隠蔽体質を指摘。「リコール(欠陥製品の回収・修理)相当の不具合を、安全対策上極めて不十分な闇改修で糊塗(こと)していた」と、4被告の無責任な態度が事故につながったと断罪した。
同罪の成立については「過失行為で致死の結果が生じるかもしれないという程度の予見可能性があれば足りる」と判断、事故は予測不可能とする弁護側の主張を退けた。
判決によると、三菱自は2年6月から12年6月まで、同社製大型トラックのクラッチハウジングに亀裂が生じる不具合で人身・物損事故が多発したが、リコールせずひそかに修理する「闇改修」(指示改修)で対応。12年のクレーム隠し事件発覚後も旧運輸省に虚偽報告するなどし欠陥を放置した結果、死亡事故を招いた。