
vol.342
“出すぎ”クリントン前大統領に批判の声
米大統領選の民主党指名候補争いで、妻のヒラリー・クリントン上院議員応援のため、バラク・オバマ上院議員批判を展開するビル・クリントン前大統領に対し、大統領経験者の言動としてふさわしくないと、民主党内からも批判が出ている。選挙戦は、クリントン夫妻対オバマ氏の様相を呈してきており、どちらが勝っても禍根を残しかねない状況だ。
ブッシュ元大統領が息子の現大統領の選挙応援の前面には出なかったのとは対照的に、クリントン前大統領は、イラク戦争に反対してきたオバマ氏の態度を「おとぎ話」とこき下ろしてみたり、氏が共和党のレーガン元大統領を称賛したとして攻撃したりしている。
前大統領への直接的な言及を控えてきたオバマ氏も、さすがに21日の討論会では、「前大統領の言っていることは真実ではない」と反論した。
民主党のクライバーン下院院内幹事は同日のCNNテレビ番組で、「熱を少し冷ます必要がある」と前大統領に忠告した。両陣営の対立が深まり、党内に亀裂が生じることを懸念したためだ。
米誌ニューズウィークによると、ケネディ上院議員、エマニエル下院議員の同党ベテラン議員ふたりも最近、前大統領と電話した際、オバマ批判をやめるよう説得した。
1月21日(ブルームバーグ):オバマ上院議員は、21日放映されたABC放送の「グッドモーニング・アメリカ」で、クリントン前大統領は「事実の裏付けのない」主張をするべきではないとして、「前大統領については誰もが尊敬していると思うが、夫人への支持は大いに困惑させられるレベルに達している」と述べた。オバマ氏は、クリントン前大統領の同氏への攻撃は「習慣になっている」 として、「事実と異なる発言については前大統領に直接問いただす必要がある」と語った。一方、クリントン陣営は前大統領を擁護し、「オバマ議員はネバダ州での敗北にいら立っているのだろう」と論評。さらに、「前大統領はクリントン陣営にとって重要な人物だ。今後もクリントン議員の主張を米国民に伝えるため発言を続けるだろう」と述べた。
ネバダ州はヒラリー氏制す
西部ネバダ州で19日行われた党員集会で、民主党はヒラリー・クリントン上院議員(60)がニューハンプシャー州に続いて連勝した。事実上の一騎打ちを演じるオバマ上院議員(46)は善戦したものの及ばなかった。また、南部サウスカロライナ州では共和党の予備選が行われ、マケイン上院議員(71)が接戦の末に制し、混戦から一歩抜け出した。
民主党ネバダ州党員集会は、両候補の批判合戦がエスカレートする乱戦模様となったが、景気後退への懸念が強まる中、豊富な経験と実行力を強調するクリントン氏が51%の支持を集め、勝利した。オバマ氏は45%だった。
一方、同じネバダ州の共和党党員集会では、ロムニー前マサチューセッツ州知事(60)をのぞいて、主要候補が同日実施されたサウスカロライナ州予備選を重視する戦略を取ったため、ロムニー氏が無風状態のなかで51%の支持を集めて圧勝した。
激戦となったサウスカロライナ州予備選では、ニューハンプシャー州を制したマケイン氏が33%を獲得、ハッカビー前アーカンソー州知事(52)を振り切った。