
vol.342
イラン核問題で3度目の制裁
国連安全保障理事会の常任理事国とドイツの計6カ国は22日、ベルリンでイラン核問題に関する外相会合を開き、イランへの3度目の制裁決議の中身について合意した。これまで制裁に反対してきたロシアと中国が、従来の強硬姿勢を転換させた。新制裁はイランの経済活動を厳しく制限するものではないが、資産凍結など既存の制裁強化が柱となる。長期間にわたって、新制裁実施が先送りされてきたイラン核問題はこれで、新たな段階に入る。
新制裁の具体的な内容は、数週間以内に予定される国連安保理会合まで伏せられることになったが、ロイター通信は米外交筋の話として、懲罰的な経済制裁ではなく、既存の制裁が定めているイラン政府要人の海外渡航制限や、資産凍結の強化が柱になると伝えた。
核兵器の原料にもなる濃縮ウラン製造活動を続けるイランへの活動停止決議はこれまで、2006年12月と07年3月に採択されている。3度目の制裁決議案の内容をめぐっては、イランの国立銀行がかかわる経済活動を厳しく制限すべきだと米国が主張したが、イランと密接な通商関係を持つ中国とロシアが強く抵抗した。その理由の一つは、米国が昨年12月、イランの核兵器開発計画が03年秋に中断されたとの分析を公表したことだった。
ドイツとフランス、英国の欧州連合(EU)3カ国は今会合を受けて、数週間以内に正式な決議案を作成し、安保理に提出する予定という。ドイツのシュタインマイヤー外相は会合後の記者会見で、「われわれは核武装したイランが中東や周辺地域に大きな影響を及ぼすとの認識で一致した」と語り、6カ国の連帯に揺るぎがないことを強調。米政府高官も記者団に対し、「米国は満足している」と、制裁実施決定を高く評価した。
一方、イランのアフマディネジャド大統領は23日、「(6カ国の)違法な振る舞いが、イラン国民の意思に影響を与えることはない」と述べた。イラン国営テレビなどが伝えた。
同国のエルハム政府報道官は22日、6カ国による合意を前に、「イランは(核拡散防止条約など)正当な権利と合法的な枠組みの中で行動している。こうした無原則な行動は国連安保理の信頼性を損なうだけだ」と非難しており、制裁強化がイランの姿勢転換につながる可能性はない。