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vol.342
(2008.01/28-02/03)
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NEWS vol.342

世界同時株安
日銀には手詰まり感 金融政策運営は混迷を深める

 日銀の福井俊彦総裁は22日の会見で「建築基準法改正に伴う影響が大きく、住宅市場の調整が長引いている」と語り、昨年10月に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の見通しよりも日本経済が下振れているとの中間評価を示した。同時株安で世界的な景気後退局面が懸念され、米連邦準備制度理事会(FRB)は緊急利下げに踏み切った。欧米当局が金融緩和にかじを切る中、日銀は難しい判断を迫られている。
 建築基準法改正に伴う住宅投資の冷え込みや、原油、原材料価格の高騰で企業部門の景況感が悪化。このため、日銀は10月の展望リポートで平成19年度の成長率を1.8%と見通していたが、これを「潜在成長率をやや下回る水準」(福井総裁)に下方修正した。22日の金融政策決定会合でも日銀は、政策金利の誘導目標を0.5%前後とする現状の金融政策維持を全員一致で決めた。
 日本経済の減速感が強まってきた。日銀は住宅投資の調整が長引いているとして、平成19年度の日本経済の見通しを下方修正した。低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題に伴う金融市場の混乱が世界同時株安に発展し、FRBは22日、政策金利を緊急に0.75%引き下げた。国内外で先行き不透明感が高まる中、日銀の打つ手は限られてきた。
 国内外の経済動向に不透明感が強まるが、福井総裁はサブプライム問題は「日本の金融システムに影響を及ぼさない」と強調。「生産・所得・支出の好循環メカニズムは維持されている」ことを根拠に、日本経済が緩やかな拡大を続けるという強気の姿勢を崩さない。展望リポートの中間評価でも今年度の経済成長率見通しについては下方修正したが、来年度については「おおむね見通しに沿って推移する」との考えを示した。
 ただ、「1人当たりの賃金が弱め」(福井総裁)と、好調な企業部門から家計部門への波及は遅れたまま。企業の景況感がさらに悪化すれば賃金の伸びが鈍り、家計部門への波及がさらに遠のくことも懸念される。
 FRBの緊急利下げなど欧米の金融当局が金融緩和に動く中、市場では日銀の利下げ観測もくすぶる。これに対して福井総裁は「現状だけでなく先々を見通した上で(金融政策を)判断する」として、利下げ観測を否定。「金融政策の基本的な考え方は変わらない」として、金利正常化に意欲を示した。しかし、現状の政策金利は0.5%と超低水準のため、「利下げする余地はなく日銀の選択肢はないに等しい」(前出の矢嶋氏)のが現状だ。
 経済の減速感が強まる中で、動くに動けない日銀。3月には福井総裁の任期切れも迫っており、金融政策運営は混迷を深めている。



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