
vol.343
杉並区和田中で「学校で塾」スタート
東京都杉並区立和田中学校で進学塾講師による有料授業「夜スペシャル(夜スペ)」が26日、スタートした。自治体などが費用を負担、塾講師が補習などを行う事例は各地で増えているが、成績上位層を対象にした有料授業に都教育委員会からいったん待ったがかかり延期されていた。
この日は英語の授業が行われ、2年約130人のうち男子1人、女子10人が参加。講師は大手進学塾「SAPIX(サピックス)」(東京)から派遣された。
学校と塾は長い間、互いに批判する対立関係にあったが、生涯学習審議会(当時)が平成11年、連携を促すよう答申、塾の補完的役割を認めた。
ゆとり教育が学力低下の不安を呼んだのと並行し、塾に通う子供は増え、昨年行われた全国学力テスト時のアンケートで、通塾率は小6で45%、中3で60%。中3の場合、大都市では66%と高い半面、僻地(へきち)では30%。
また学校の現場では、学習内容が大幅に減った学校の授業だけでは指導しきれない中上位層である「浮きこぼれ」「吹きこぼれ」を、特に塾のない地方ではどう指導するか課題となっている。茨城県鹿嶋市では塾経営者を市の教育委員会事務局に迎えている。
ただ公教育に営利企業の塾が入ることに反対は根強い。中止を都教委に直談判した土屋敬之都議は「公立学校は成績下位層の支援も含め地味な教育が中心だ。企業の論理とは相いれない。教員の尊厳が失われ結局は塾に食いつぶされる。教員の質向上が先決」という。
これに対し、学力問題に詳しい国際医療福祉大の和田秀樹教授は「日本は江戸時代の寺子屋をはじめ民間教育の伝統が根付いている。だからこそ教育に対する公財政支出が世界的に少なくても、学力がかつては世界一だった。家庭環境に関係なく全員が通えるような補助制度を考えるべきだ」と話している。