
vol.344
ギョーザ事件の農薬はやはり国外で付着か
1月30日に発覚した中国製冷凍ギョーザの食中毒問題で、警察庁は5日午前、千葉、兵庫の両県警幹部らを東京・霞が関の同庁に集め、初めての合同捜査会議を開いた。警察当局は、何者かがギョーザに有機リン系殺虫剤「メタミドホス」を混入した殺人未遂事件として徹底的な捜査を進めることとなった。
1日には中毒症状のあった兵庫県高砂市の家族3人が食べたギョーザのパッケージ裏や内部のトレーに小さな穴が開いていたことが兵庫県警捜査1課の調べで分かった。一方、千葉市の被害者宅の食べ残しから検出された有機リン系殺虫剤「メタミドホス」は、基準の100倍以上の高濃度だったことも判明した。当初疑われたのは、ギョーザの具に使われたニラなどの野菜に残留した農薬だったが、ギョーザの具に使われる野菜は少量で、「患者の激しい急性症状からみて、残留農薬で起こる中毒とは考えづらい」(厚生労働省幹部)との見解が一般的となった。
3日には被害に遭った高砂市の家族3人が食べたギョーザと同一製造日の商品6袋の表面から、有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が検出されたことが兵庫県警の調べで分かった。「袋がべたついている」と苦情があり、返品されたものの一部で、このうち1袋には2カ所の穴が開いていた。また、日本生活協同組合連合会(日本生協連)は同日、回収した「CO・OP手作り餃子」2袋からメタミドホスが検出されたことを明らかにした。中毒を起こした千葉、兵庫両県の家族が食べたギョーザ以外からメタミドホスが検出されたのは初めて。
また5日には日本生活協同組合連合会から福島県内の店舗から回収した冷凍ギョーザから、メタミドホスとは別の有機リン系殺虫剤「ジクロルボス」が検出されたと発表された。生協連によれば、ジクロルボスが検出されたのはコープあいづから回収された「CO・OP手作り餃子40個入り」(560グラム)。昨年6月3日に製造され、ギョーザの皮から110ppm、具から0.42ppmが検出された。メタミドホスは検出されなかった。福島のギョーザのパッケージからは「有機溶剤」と呼ばれ、ジクロルボスを農薬として使うために原液を薄める際、水に溶けやすくする作用を持つトルエン、キシレン、ベンゼンの有毒物質が検出されていたが、このうち「ベンゼン」は国内の農薬には配合されていない成分であることが6日、分かった。農林水産省が発がん性を理由に農薬への配合を控えるようメーカーへ要請しており、流通する可能性はほとんどないという。ジクロルボスが国外で付着した可能性が高いことを示す“証拠”といえそうだ。
中国国家品質監督検査検疫総局の魏伝忠副総局長は6日、北京で中国製ギョーザ中毒事件の調査のため中国を訪問中の日本政府調査団と会談し、殺虫剤が中国側の生産過程で混入した可能性は低いとしたうえで、「中日関係の発展を望まない少数の分子が過激な手段に出たのかもしれない」として、中国政府幹部として故意の犯行の可能性を初めて示唆した。また、同総局の王大寧・輸出入食品安全局長は「少数の分子」について「日本側の可能性も、中国側の可能性もある」と語った。