
vol.344
社保庁のずさんな事務で税金過払い
社会保険庁は6日、年金にかかる所得税について、記録訂正によって過去分の年金が支払われる場合、各年の所得に振り分けて源泉徴収すべきところを、記録訂正された年の年金所得として一括計算し、本来の源泉徴収額よりも多く徴収してきた可能性があることを明らかにした。社保庁の推計では該当者は平成15〜19年だけで約4万人。年金の源泉徴収は昭和41年から行われており、さらに拡大しそうだ。
年金受給者が税金の過払い分を取り戻すには、確定申告を行わなければならないが、社保庁は確定申告の必要性を国民に積極的に知らせず、申告に必要な各年の源泉徴収額を再計算した「年別内訳書」の発行も請求者のみで、平成18年の場合は該当者の約半数の4557件しか発行されていなかった。気づかずに確定申告をしていない高齢者もいるとみられる。社保庁がずさんな事務を長年続けてきたといえる。
社保庁の不適切な源泉徴収処理は、国税庁が今年1月に指摘した。これを受けて、社保庁は8月までにシステム改修を行い、各年の所得に分けて源泉徴収を行うよう対応を改める。
国税庁の指摘によると、年金記録が訂正されて過去にさかのぼって年金を受け取る場合、所得上は本来その年金を受け取るはずだった年別に年金額を計算して源泉徴収しなければならない。
例えば、年額100万円受給している人が、19年に記録訂正をして、15〜18年分の年金が10万円ずつ増えた場合、本来なら15〜18年を110万円受給したとして源泉徴収の計算をしなければならない。ところが、社保庁は15〜18年に増えた総額を一くくりにして、19年分として源泉徴収計算していた。
この場合、19年分は高額所得となり、本来の課税額より多く計算していた可能性が高いが、こうしたケースが相次いでいたとみられる。社保庁は減税措置で本来より少額になっているケースもあり得るとしている。