
vol.344
ペンギンだって冬は寒い
冬の水族館を追う
2月ともなると客足が落ちるのはどの業界も同じのようで、特に水族館はそのギャップが激しい。そんな水族館では、冬にはどんな取り組みをしているのか。
東京都動物園協会に加盟している「葛西臨海水族園」は、フンボルトペンギンの繁殖研究、近海の生物調査を定期的に行うなどの研究活動を意欲的に行っており、冬には集客を狙うとともに「研究的」な興味を来場者に持ってもらうおうといつもとは異なるイベントを組んでいる。イベントの企画実行に当たる同水族園教育普及係・浅野氏によると「冬は来場者が少なくなる」ため、逆にじっくりと取り組めるイベントを企画する。「集客するのはもちろんですが、じっくりと手を動かす・見て回る仕掛けをしていきたい」(浅野氏)。実際に2〜3月に行われるのは、ペンギンの折り紙工作、海の絵葉書作りなどで、工作する作業から、実際に海の生物たちを“見る”=観察することを学ぼうという狙いだ。
同じように東京湾の生物の定期調査を行っている「しながわ水族館」では、冬の特別展示「東京湾にすむイカたち」を開催。同園は毎年冬に定置網で東京湾の調査を行っており、結果、冬の東京湾では比較的安定してイカの姿が見られることが分かったという。調査・収集を行うのは東京湾の外湾部。同園展示課の藤井氏によると、この展示の見所はイカの細かな色彩変化や、“みみ”と呼ばれる胴部のヒレの動き方などだそう。また「東京湾といっても外洋の影響を受け、いろいろな生物が見られます。東京湾にもさまざまな側面があることを知ってほしい」。
冬の東京ならではの種々の水族館の取り組みは、新たな知見を得ることができるとともに、東京を見る目も変えてくれる。研究機関としての水族館の取り組みにも注目したい。