今週のTOKYO HEADLINE
vol.345
(2008.02/18-02/24)
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写真:加藤大毅
INTERVIEW vol.345

さあ出発!
自分の音楽を探す旅――
高杉 さと美

じっと見つめていると吸い込まれてしまうのではないかと心配になるほど大きな瞳。それをキラキラとさせながら話す。初詣のおみくじの話、凹んだときの脱出方法、そして音楽への熱い気持ち。昨年キラ星のように現れたアーティスト・高杉さと美。彼女の新年が本格的に動き始めた。

“どんな曲でも誰の曲でも、高杉さと美が歌えば高杉さと美になる。そんな存在になりたいですね”

「エイベックスが社運をかけて〜」といったド派手なフレーズとともに昨年6月、映画「西遊記」のイメージソングとなった「旅人」でデビュー。高杉さと美の、果てしなく広がる空の端から端まで響き渡るような澄みきった歌声は映画とともに広く浸透した。その後も宮沢和史による「百恋歌」、ポップな「雪星」などさまざまな楽曲にトライ。自分の引き出しを一つひとつ開けながら進み、昨年末には数々の新人賞を獲得。期待の新人らしい一歩を踏み出した。

 この20日にフルアルバム「garden」をリリース。新人という冠が取れた後の期待の作品は、「自分らしさを伝えたい」と自分の一番好きな場所をタイトルにした。テーマは「自分探し」。

「シングルでもそうでしたが、アルバムでもなるべくいろいろなものをやってみて、また新しい発見ができたらいいなと思ったのと、自分の声質、それを生かした曲が、聞いてくれる人の元へとちゃんと届く作品についても探りたかったんです。イントロにアカペラを入れてみたりしたのもその1つですね。このアルバムを作り上げたことで、自分のなかでですが、「旅人」以前の自分の声とその後の声のバランスが取れてきたような気がしています」

 キャッチーであることが重要視されるシングルに対して、たくさんの曲が収録できるアルバムではいろいろと挑戦できるとどのアーティストも口を揃えていう。高杉にとってもそれは同じで、アルバムに収録されていて、シングルとしても同時発売される『一緒に』は、シングルでありながらも、いままでとは違ったタイプの曲。

「感情の波が少なくて、平常心というか、日常のテンションで歌える曲をとお願いしました。友達に向けて話せるような雰囲気のものを歌ってみたいと伝えました」

 この曲以外にも、エレクトロニカ調の曲にも手を広げ、アーティスト・高杉さと美を探る。そのなかでもポイントになった曲は、「the FLUTTER of WINGS」。

「この曲はまだデビューするかどうかも分からなかったときにデモテープを作った曲なんです。2005年だったから3年ぐらい眠らせていたことになりますね。すごく好きな曲で、当時は何にも考えずに歌だけに集中して歌える環境だったこともあったと思うんですが、とても気持ちよく歌えた記憶があって、同じように歌えればいいなと思ったんです。でも、今回は“ここを出したい”というところが出てこなくて、苦しかったですね。どうしてなんだろうって考えていくなかで、自分が考えすぎていることに気づいたんです。それから、なんか変な表現ですけど……意識して考えないようにして歌ったら納得のいくものができました。このことって、(自分が歌う)どの曲にもいえることだと思っています」

 シンガーの部分の掘り起こしもさることながら、高杉は本作で作詞作曲した楽曲も披露している。それが、アルバムの最後に収録されている「鏡色」。

「ピアノを習い始めてから、自分で好きなメロディーを弾いて歌っていたので、作曲や作詞することは自然な流れですね。ただ、これまでに作詞したものと作曲したものがセットになっているものは少なくて、詞だけ、曲だけっていうのがいくつかあるという状態。アルバムに入れるとかそういうプランがないというのもその原因でしょうけど(笑)。ただ、今回の「鏡色」に関しては、最後にはこういう曲を入れたい、と作った曲です。いつもは曲を先に作ってそこからイメージを広げていくことが多いんですが、曲と詞を同時に作っていく感じでした。メロディーにワンフレーズがついたらそのまま自然に出てきたんですよ」

 カバー曲を含む収録全14曲で、歌い方や曲調、果ては作詞作曲に至るまで、さまざまな挑戦をした高杉。「garden」は彼女の将来を指し示す作品となりそうだ。

「今後ですか? すべて自分で!という気持ち……ないわけではないんですが、いろんな方とのお仕事にはそれだけの魅力があります。自分だけだと視野が狭くなりがちですし、そういう方とお会いするだけでも刺激になります。最終的には、誰が手がけた曲でもこの人が歌えばこの人になると言われるようになれればいいですね」

 恒例の初詣で引いたおみくじは中吉。「結構いいことが書いてあったんですが、いかに自分の自信を失わないことが大事、だそうです」と高杉。くりくりとした彼女の大きな瞳が輝き続ける限り、その自信が揺らぐことはなさそうだ。




(本紙・酒井紫野)

『garden』 rhythm zone 左 : CD+DVD 3990円、右 : CD 3059円(税込)
DVDには「旅人」をはじめ、全シングルのミュージックビデオを収録。初回盤のみ、メイキングやライブ映像、本人のインタビューなどを収録した特典映像を収録した。4月13日には単独ライブも。高杉さと美の最新情報はhttp://takasugi.tv/


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