
vol.345
ヤフーがマイクロソフトの買収提案を拒否「ヤフーの価値を過小評価している」
米インターネットサービス大手ヤフーは11日の取締役会で、米マイクロソフト(MS)による総額446億ドル(約4兆7800億円)の買収提案について「ヤフーの価値を過小評価している」と拒否を決定し、MS側に伝えた。
1株40ドル以上を要求
ヤフー取締役会はMSの提案を検討した結果、1株当たり31ドルの買収価格は、ブランド力や5億人にのぼるユーザー規模、将来の成長性といった企業価値を過小評価していると判断、全会一致で拒否を決定した。そのうえで、株主価値の向上のために「あらゆる戦略的な選択肢」を検討し、MS以外の他社との提携などを模索する構えを示した。
市場関係者の観測によると、ヤフー側は1株当たり40ドルを下回る提案には応じないとみられる。また、英紙タイムズ(電子版)は、ヤフーがタイム・ワーナーのネット部門米AOLとの合併交渉や、ウォルト・ディズニーなどメディアグループとの提携について検討中だと報じた。
MSの買収提案を拒否したことで、市場の注目はMSがどこまで提示額を引き上げるかという点に移った。ヤフー株価は2000年のITバブル崩壊で急落。その後の最高値は06年1月の43.42ドルで、これが当面の目標となるとみられる。
敵対的買収もありえる
ヤフーの拒否でMSには敵対的買収も視野に入ったが、強硬策をとった場合、ヤフー従業員の流出は必至で企業価値が棄損しかねない。買収資金が膨らみ、自社株主の支持を得られなくなる可能性も出る。すでに買収提案以降、MSの株価は下落しており、提示価格には限界も出てくる。このため、MSは買い取り価格を引き上げつつ双方が納得できる水準を探り、大株主が買収に応じるよう説得に当たるとみられる。ヤフー経営陣が価格を理由にしている以上、提示額が引き上げられれば拒否しづらくなるうえ、2人の共同創業者とソフトバンクを除いた投資会社、ファンドなどの大株主は価格引き上げを大歓迎だからだ。ヤフーが株主の圧力に屈せざるを得ない状況に陥ることも十分にありうる。
MSが提示した1株31ドルの買収価格は、買収案提示時のヤフー株価19.18ドルに62%のプレミアムを乗せたものだが、最近2年間の同社の株価はおおむね23〜34ドルで推移しており、「過小評価」とするヤフーの主張にも説得力はある。市場では、提示額はここ5年間の最高値水準である40ドル超まで引き上がるとの見方が強まっており、今後の提示価格の引き上げ期待感からヤフー株価はじりじりと上がっている。