
vol.345
東京G7開催 具体策は打ち出せず
先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が東京で9日開かれ、米国の低所得者向けサブプライム(高金利型)住宅ローン問題をきっかけにした世界経済の減速懸念について、「金融機関が必要に応じて資本増強することが市場機能の回復に重要な役割を果たす」などとする共同声明を採択、閉幕した。金融市場の混乱はしばらく続くとの認識を共有したうえで、各国が連携してサブプライム問題に対応することを確認した。
同問題については、主要国の監督当局で組織する金融安定化フォーラム(FSF)が中間報告を行い、これをもとに議論。巨額損失を計上した欧米金融機関に引き続き資本増強を促したほか、格付け会社の手法の見直しや証券化商品の透明性確保などを求めた。
地球温暖化問題では、7月に開催される北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)に向け、日米英の財務相が途上国向けに環境技術を支援する基金の創設を表明し、各国に協力を呼びかけた。
G7を受け、動向が注目された3連休明け12日の東京株式市場は、日経平均株価が1万3000円を挟んでもみ合い、結局、前週末比4円72銭高の1万3021円96銭と、ほとんど値動きせずに取引を終えた。
市場は、G7が米国のサブプライム(高金利型)住宅ローン問題への対応で、協調の“演出”にとどまり、具体策を打ち出せなかったことについて、「予想通り」と受け止めており、G7の存在自体が無視された格好だ。
開催前には、G7の結果次第では、失望売りで株安が進むとの懸念も出ていたが、日米の市場では、ほとんど材料視されなかった。もともと市場は大きな期待を寄せていなかったとはいえ、G7の“無策”と市場の“無視”は、有効な処方箋を見つけられない問題の根深さを浮き彫りにしたといえそうだ。市場の関心は、米大手金融機関が4月に発表する2008年1〜3月期決算や5〜6月に出てくる減税効果に移っている。
(ビジネスアイ)