
vol.345
井上康生の北京五輪出場に黄信号
9、10日にパリで開催されたフランス国際で、日本の「金」は男女14階級中、男子60キロ級の平岡拓晃(了徳寺学園職)にとどまる“完敗”に終わった。
大会を総括した全日本柔道連盟の上村春樹専務理事は「何が何でもという意識が欠如していた」と指摘。北京五輪出場を懸けて戦意むき出しの欧州勢に対して日本勢は積極性に欠け、その差が成績に直結した格好だ。
再起が期待されていた男子100キロ超級の井上康生(綜合警備保障)は、準決勝で昨年の世界王者のテディ・リネール(フランス)に敗退。3位決定戦でも一本負けし、北京の代表争いでは厳しい立場になった。
井上は敗戦から一夜明けた11日は合宿に参加したものの「漠然と練習していた」、と心境を吐露。翌日も表情には重苦しさを漂わせたが、練習後には「気持ちを切り替えて、次の試合を迎えたい」と話し、五輪に望みをつなぐため、3月2日の全日本選手権関東予選に出場する意向を表明した。
その後、井上は「次は日本人との対戦になるので、(戦略を)考えなければいけない」と課題を語り、無差別級世界王者の棟田康幸(警視庁)らと直接対決する4月の全日本選抜体重別選手権、全日本選手権に向けて、仕切り直す意思を口にした。
フランス国際をパリの会場で観戦した妻の亜希さんとも去就について話し合い、「自分の素直な気持ちを伝え、アドバイスをもらった」とコメント。さらに父の明さんからは全日本選手権まで望みを捨てないよう諭されたという。