
vol.346
コソボが独立宣言−米は承認
コソボ自治州議会は17日午後(日本時間同日深夜)、セルビアからの独立宣言を採択し、国旗も決定した。サチ首相は議会で「人々に選ばれた指導部はコソボが独立した統治国家であることを宣言する」と独立宣言を読み上げた。この後、議員全員が挙手し宣言を採択した。議会では近く、憲法も採択される予定で、アルバニア系住民が約9割を占めるコソボにおけるセルビア系住民(約8%)の保護や、隣国アルバニアなど他国との合併を放棄する−などの文言が盛り込まれる。
セルビアのコシュトニツァ首相は17日、「コソボはニセモノの国家を作ろうとしている」と強調、独立を認めない考えを示した。
国連安全保障理事会は17日午後、緊急の非公開協議を開き、潘基文事務総長が最新の現地情勢などを報告した。協議終了後、米国と英仏など欧州6カ国は共同声明を出し、現地情勢の安定には「国際監督下のコソボ独立が唯一の現実的な選択肢」と指摘。独立宣言は「(コソボの)特異な歴史に対する独自の解決策だ」として、支持する意向を示した。
セルビアの後ろ盾として独立に反対するロシアのチュルキン国連大使は、国連当局やコソボに駐留する北大西洋条約機構(NATO)部隊に、宣言を無効とするようと主張した。
18日には欧州連合(EU)がブリュッセルで外相理事会を開き、コソボ独立問題を協議、地域安定化への関与を続けるとの声明を採択した。英仏を含む加盟国の多くは早期に独立を承認する方針だが、国内に分離独立問題を抱えるスペインは改めて不支持の立場を表明した。バスク地方の分離独立を求める非合法組織「バスク祖国と自由」(ETA)を抱えており、コソボ独立の波及を恐れている。キプロスも、北キプロス・トルコ共和国の問題がネックで独立を支持しない立場。スロバキア外務省も17日、「今のところ独立を承認しない」と明言した。中国外務省の劉建超報道官は18日、「バルカン地域の平和と安定に悪影響を及ぼしかねず、深く憂慮する」と表明。中国は台湾問題だけでなく、チベット、ウイグルなど分離独立がくすぶる少数民族問題を抱えており、コソボの独立は自国に波及しかねないとして警戒を強めている。
一方、セルビア議会は18日、コソボの独立を「無効」とする決議を賛成多数で可決した。セルビア内務省も同日、コソボ独立は憲法に違反するとして、コソボのサチ首相やセイディウ大統領ら計3人を刑事告発したことを明らかにした。