
vol.346
東芝が「HD DVD」から撤退し半導体事業に集中
東芝は19日、「HD DVD」規格による新世代DVD事業から撤退すると正式に発表した。プレーヤー(再生専用機)やレコーダー(録画再生機)の生産・販売は3月末をめどに打ち切り、パソコンやゲーム機向けのドライブ(駆動装置)も顧客の需要を見極めながら量産をやめる。アフターサービスは継続する。東芝の撤退で、新世代DVDはソニーなどの「ブルーレイディスク(BD)」に規格統一されることになる。
家電量販店では「規格争いの混乱が収束し、新世代DVD機の普及が進む」と歓迎の声が目立つ。一方、すでにHD DVD方式のレコーダーなどを購入した消費者からは今後、不満の声も出てきそうだ。東芝は「アフターサービスには万全を期す」と強調しているものの、購入者に対して重い責務を負うことになる。
「客はどの規格を選べばいいのか迷わないで済む。売り場の担当者も商品を薦めやすくなる」と指摘するのが、家電量販店大手のエディオン。
DVDはこれまでも、現行方式と新世代方式が店頭で混在し、商品説明が複雑だったという。それだけに、次世代機がBDに一本化されることで、「次世代機の販売が上向く」と小売店は期待する。
フラッシュメモリーを強化
同時に岩手県北上市と三重県四日市市の2カ所に半導体のフラッシュメモリー工場を新設することも正式に発表した。いずれも2010年の完成を目指す。黒字化が見込めないHD事業から撤退する一方、中核事業の一つと位置付ける半導体事業への大型投資に踏み切ることで事業の選択と集中を進める。
19日記者会見した西田厚聡社長は「市場環境の変化により事業を継続すると経営に大きな影響が生じると考え、苦渋の決断をした」と説明した。
2009年半ばには、東芝の能力は現在の2倍の月産40万枚(300ミリウエハー換算)に膨らみ、この時点で首位、サムスン電子(韓国)の生産能力を上回る可能性が高い。新設する2工場はそれぞれ月産18万枚規模(同)とみられ、能力を現在の4倍近くに拡張し、一気にサムスンを突き放す作戦だ。
(ビジネスアイ)