
vol.346
第31回日本アカデミー賞授賞式
ユニークなオカンと胃が痛いボク
『東京タワー』驚きの5冠!
第31回日本アカデミー賞の各最優秀賞が15日、グランドプリンスホテル新高輪で発表され、『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』が最多の5冠に輝いた。会場では、まずは新人俳優賞の7人が登壇。『東京タワー』で共演した実娘の内田也哉子へのコメントを求められた樹木希林は、「娘と同じ役(同作で内田は樹木演じるオカンの若いころを演じた)なんて、そんなのカンケーねぇですよ。演技見てないですし(笑)」と発言。内田は「ユニークな人ですから」と応戦した。『ALWAYS 続・三丁目の夕日』出演陣のインタビューでは、MCの小島奈津子からマイクを向けられた吉岡秀隆が「小島先輩なんで緊張します」。実はこのふたり、同じ中学の先輩後輩だったのだ。これまでさまざまな映画賞を受賞し、最有力と目された『それでもボクはやってない』は、もたいまさこが最優秀助演女優賞受賞という結果だったが、主演の加瀬亮について周防監督は「オ−ディションで彼が入ってきた瞬間、あ、主人公が来ちゃったと思った」と、運命の出会いを明かした。
「オダギリ君、具合が悪そうで大丈夫かな」と、注目されたオダギリジョーのメイクに最初に触れたのは役所広司。当のオダギリは、「今日はリアルに胃が痛くて、それをやんわり表現してみました」と説明。俳優陣のユニーク発言連発で、授賞式はなごやかに進んでいった。
最優秀助演男優賞の小林薫は「堤(真一)くんと香川(照之)くんの対決だと思っていたんですが。まさに(昨年9番人気ながら優勝した)有馬記念のマツリダゴッホ! 誰も予想していなかったでしょう」とニンマリ。しかし昨年の同賞受賞者・笹野高史からトロフィーを受け取ると、「さっき裏でもたいさんと話してたら、笹野さんが来て“おまえらアングラ出身なのに、よくここまで来たな”と言われまして、それが本当にうれしかった」としみじみ。『東京タワー』は他にも、脚本賞、主演女優賞、監督賞、作品賞も受賞。「組織票よ」とうそぶいた樹木だが、受賞挨拶では「映画を愛し、映画を支えてきた市川崑監督が昨日亡くなりました。80本目の映画を撮りたいとおっしゃっていたのに、80本目は後に続く映画人に任せるよというような静かな顔で眠っておりました」と瞳を潤ませ、「市川監督じゃないですけど、このアカデミー賞が名実共に素晴らしい賞になっていくよう祈っております」と結んだ。昨年の最優秀主演女優として司会を務めた中谷美紀は「本当にみなさんいい笑顔で、胸がいっぱいになりました」と目を細めていた。