
vol.347
新銀行東京が都に追加支援を要請 石原知事「慚愧に堪えない」
東京都が中小企業への貸し渋り対策として設立した「新銀行東京」(東京都千代田区)の経営難問題で、石原慎太郎知事は26日、都議会本会議の代表質問に「まことに残念、無念、歯ぎしりする思いで、慚愧(ざんき)に堪えない」との認識を示し、「発案した者として責任を痛感している」と自らの責任にも言及した。
石原知事は新銀行の経営立て直しについて「渾身(こんしん)の力で再建する」「都民に役立つ銀行とするのが私の最大の責任」と決意表明。新銀行が今月20日に発表した平成23年度の黒字化を目指す再建計画について「十分実現の可能性があると評価している。限られた選択肢の中ではもうこれしかない」と強調、都が提案している400億円の追加出資に議会側の理解を求めた。
新銀行は都が1000億円を出資し設立。昨年9月期決算で累積赤字が936億円に上るなど経営は厳しく、都に追加出資を要請。都は追加出資を盛り込んだ20年度補正予算案を20日開会の都議会に提出した。都議会では民主、共産は追加出資に反対の構え。自民は賛成の見通しだが公明は態度を保留している。
仮に自主廃業の道を選ぶとしても、必要な費用は総額で1000億円を超える見通しで、ブリッジバンク(承継銀行)も必要となる。追加出資のほうが安上がりという事情もあるとみられる。新銀行東京は20日、新たな再建計画を発表。行員数を450人から120人に減らし、6店舗を1店舗に集約するなど大幅なスリム化を図り、平成23年度の黒字化を目指すとした。だが昨年6月、21年度の黒字化を目指した新中期経営計画を策定したばかり。わずか半年余りでの撤回だけに、「再建計画は説得力に乏しい。戦いを放棄して生き延びるために籠城(ろうじょう)しているだけ」(民主都議)との見方もある。
都議会終了後、石原知事は報道陣に「(銀行の調査報告で)いろんなことが分かってくれば追加出資の正当性を理解していただけると思う」と述べた。今後、激しい議論となりそうだ。