
vol.348
調査捕鯨船団への妨害で海保が捜査へ
南極海を航行中の調査捕鯨船団の母船「日新丸」が3日午前6時40分(日本時間同日午前7時10分)ごろ、公海上で米環境保護団体「シー・シェパード」の抗議船から薬品入りの瓶などを投げつけられ3人がけがをした。事態を重く見た海上保安庁は同日、威力業務妨害と傷害容疑で捜査に着手。日本の調査捕鯨に対する妨害活動で海保が捜査を行うのは初めて。
海保によると日新丸は、抗議船から約1時間にわたって異臭を発する酪酸入りの瓶や白い粉が入った袋計100個以上を投げ込まれる妨害を受けた。
その際、酪酸の飛沫が、乗船していた海保の保安官2人と、乗組員1人の目に入るなどして軽いけがをした。
海保は、海上での事件の捜査権を持つ海上保安官が妨害を現認しているうえに、保安官自身が負傷していることから捜査に乗り出すことにした。
南極海での日本の調査捕鯨船団に対するシー・シェパードの妨害活動は今年度3度目。過去2回は、保安官が乗船していない船に対する妨害だったため、捜査に乗り出せなかった。
今回の事件をめぐっては、水産庁がシー・シェパードに抗議するとともに、外務省を通じて、抗議船の船籍国であるオランダと母港を提供している豪州の両政府に強く抗議を申し入れた。
オーストラリアのスミス外相は同日、「公海上で他者に危害を及ぼすような行為を強く非難する」とコメントし、「シー・シェパード」を批判した。反捕鯨では同じ立場とはいえ、過激な活動を行う同団体に対し「自制」を求めてきた豪州のラッド政権も対応に苦慮しているのが実情という。
クジラの肉は牛肉より環境に優しいという説
[オスロ ロイター]ノルウェーの捕鯨推進活動家は3日、捕鯨が畜産よりも環境に優しいことが調査を通じて分かったとし、クジラを食べることが地球を救うことにつながるとの見解を示した。
捕鯨船の燃料消費に焦点を当てた同調査では、鯨肉1キロ当たりの温室効果ガス排出量は1.9キロであり、牛肉の同15.8キロ、豚肉の6.4キロ、鳥肉の4.6キロに比べて少ないと指摘。「牛肉の食事1回分による温室効果ガスの排出量は、鯨肉の食事8回分に相当する」としている。
北極圏沿岸地域を代表する捕鯨推進団体ハイ・ノース・アライアンスの関係者は「他の種類の肉との比較では、地球のためにできる最善策がクジラの肉を食べることであることが分かった」と述べた。
一方、環境保護団体グリーンピースは、肉に比べればほぼすべての食べ物が環境に優しいとし、この主張を否定している。