
vol.348
円相場が急上昇 東証1万3000円割れ 米景気懸念が日本に影響
3日の東京金融市場は、日米景気の先行き懸念から急速な円高と株安が進んだ。円相場は米景気の後退懸念からドル売り円買いが進んで4営業日続伸、1ドル=102円台に突入して平成17年1月以来の円高水準に上昇した。
株式市場では前週末の米国株安と円高が嫌気され、日経平均株価が前週末比610円84銭安の1万2992円18銭で終わった。終値で1万3000円を割ったのは、今年1月23日以来。東証1部全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)も53.13ポイント安の1271.15で終わり、2月13日以来の1300ポイント割れとなった。
ダウ平均が今年2番目の下げ幅で続落した米国市場を引き継いで、自動車、電機など輸出関連株が売られ、サブプライムローン問題による金融不安が長期化するとの見通しで、金融株が下げた。市場関係者は「悪材料に反応しやすい不安定な相場展開が続きそう。当面は1月22日の今年最安値の1万2500円近辺が下値のめど」(大手証券)と予想している。
急激な円高株安による企業業績、日本経済への深刻なダメージが懸念されている。とりわけ円相場は、1年前に1ドル=120円前後で推移していたことを考えると20円近い上昇となり、経済成長の推進役である輸出企業への悪影響が予想される。
内閣府の浜野潤審議官は3日の定例会見で、「為替の急激な変動は好ましくない。急速な円高が及ぼすデフレ的な影響を注視していく」と述べ、急速な円高に強い懸念を示した。実質成長率を2.0%に設定した平成20年度の政府経済見通しの想定為替レートは1ドル=111円20銭。すでに9円近い円高が生じている計算だ。年度内のデフレ脱却を意気込んでいた政府にとっては、冷や水を浴びせられた格好だ。
急速な為替変動はどこの国にとっても好ましくないが、成長の牽引役として外需に、さらに輸出企業の設備投資に依存している日本にとって負の影響はとりわけ大きく、三菱総合研究所の後藤康雄主任研究員は「10円の円高で日本のGDP成長率は実質0.4%押し下げられる」と試算する。