
vol.349
検察側、弁護側双方の鑑定医が「心神喪失の状態」
東京都渋谷区の外資系金融会社社員、三橋祐輔さん=当時(30)=の切断遺体が見つかった事件で、殺人と死体損壊・遺棄の罪に問われた妻の歌織被告(33)の第9回公判が10日、東京地裁(河本雅也裁判長)で開かれた。歌織被告の精神鑑定を行った鑑定医への尋問が行われ、検察側、弁護側双方の鑑定医とも、犯行時の責任能力について「心神喪失の状態だった」とした鑑定結果を報告した。犯行時に心神喪失状態だったと裁判所が認定すれば、刑法の規定により歌織被告は刑事責任を問われず無罪となることから、公判に与える影響は大きいとみられる。
鑑定医は、検察側が国立精神・神経センター精神保健研究所の金吉晴精神保健部長、弁護側が「こころのクリニック石神井」の木村一優医師。
金氏は、歌織被告が犯行直前に「短期精神病性障害」という精神疾患を発症していたと指摘、「責任能力が喪失したことは推認できる」と述べた。木村氏も「父親からの虐待に近い体罰やしつけが歌織被告の精神状態に影響を与えた」と成育歴を分析した上で「行動制御能力は喪失ししていた」と報告した。精神鑑定の結果を受け、再度の被告人質問が12日に行われ、歌織被告は犯行当時の心境について「すべてが面倒くさかった」と供述。殺害の前後の行動について、「覚えていない」などとあいまいな供述に終始した。