
vol.349
2年6カ月ぶりの安値水準へ 高まる先行き不安
米国のサブプライム(高金利型)住宅ローン問題に端を発した株価の下落が止まらない。世界的な株安と円高・ドル安、それに伴う国内企業の業績悪化懸念の三重苦が背景だ。市場は「(日経平均株価が)1万2000円を割り込むと、どこまで下がっていくか分からない状況」(大手証券)に陥っており、先行き不安が高まっている。
日経平均株価は10日、米国の景気後退を見越したドル安の進行や世界同時株安への警戒感から2005年9月以来2年6カ月ぶりの安値水準となった。前週末の米国市場でも06年10月以来の安値をつけており、「指標的には日米ともに買い戻しが入ってもいい水準なのに」と市場関係者は嘆く。
米国の2月の雇用統計が市場の予想を大きく下回ったことで実体経済の後退が浮き彫りになり、改めて先行き不透明感が広がっているからで、投資家は株式投資に慎重にならざるを得ない。
外国為替市場では、米国景気の後退懸念を受けたドル売りによって円はじりじりと値を上げる展開となっており、日本経済を引っ張ってきた自動車や電機など輸出企業の業績が悪化するとの警戒感から外需関連銘柄が大幅に下落。さらに銀行や保険など内需の主力株も幅広く売られている。株式市場には下げ止まり感が出ていないため、今後一段安となって、1万2000円割れの可能性を懸念する声も聞こえてきた。
日米で重要な経済指標の発表や3月期決算を控え様子見気分が広がっているうえ、国内には買い材料が乏しい。日本の株式市場の売買代金の約6割を占める外国人投資家も売り基調に転じており、買い手不在の状況が続いている。ただ、3月下旬に期末決算対策の売りが一巡し買い戻しの動きが出た後、「企業業績が出そろい、米国で減税効果が見込まれる5月後半には上昇に転じる」(中堅証券)との見方もある。
(ビジネスアイ)