
vol.350
映画『うた魂♪』
ゴリ(ガレッジセール)
その衣装…ひょっとして新キャラ? 実はこれ、4月5日より公開の映画『うた魂♪』で彼が演じている“18歳の熱い不良高校生・権藤洋”という役の衣装。なぜか違和感がない理由、それはゴリの映画にかける熱い思いゆえ!
18歳(現役)の男子高校生役で魅惑の重低音を披露!!
山田耕筰、尾崎豊、MONGOL800…みんなで歌う気持ちよさを120%体感させてくれる“合唱青春ムービー”『うた魂♪』がいよいよ公開! 合唱映画というからには当然キャストに求められることは“歌”。本作のサプライズの1つが、ガレッジセールのゴリが“歌う映画俳優”としての新境地を見せていること。劇中では、バスのソロパートも披露。そのシーンを見た人からは大きな賛辞があがっているのでは。
「いやー、自分としてはまだまだ恥ずかしいデキですよ。あの部分をカットしてほしいって今でも言ってます。もう恥ずかしくて。僕に山下達郎さんのような歌唱力があれば堂々と歌いますけどね。本当に、歌が上手い人ってうらやましい! 最初、監督は僕にテノールをやってほしいと言っていたんです。テノールのほうが主旋律ですしね。ところがテストでちょっと歌ってみたら“15のよ〜る〜っ”って金切り声になっちゃって。監督も“これだと、ゴリさんはバスかな。でもね、バスってテノールを引き立たせる重要な音で…”って、急にバスの魅力についてやけにアピールし始めるので、僕はよけいに悲しくなったんですけどね(笑)。でも、バスに回って合唱の魅力に気づいたのかもしれない。バスの低い音がテノールを助けてキレイにハモったとき、これが気持ちいいんですよー! 合唱の魅力ってこれなんだな、と」
演じる権藤が所属する湯の川学院高等学校合唱部の男子合唱部員の面々は、ゴリを含め、みな本格合唱初体験。
「クランクインの3カ月前から、週2時間とか集まって練習を始めたんですが、みんな役者だから歌は素人だし、最初はとても聞けたものじゃなくて。こんなのでお金とっていいのかなって不安でしたよ。それで“あ、歌の練習させて口の動きを合わせて、後からプロの合唱団に歌ってもらったのを映像に被せるんだな”と思ったんですよ。ところが撮影1カ月くらい前に“いえ、本当にみなさんの声で映画を撮るので、死ぬ思いで練習してください”って宣言されて。人間、アップをかけられると頑張るもんですねー。そこからみんなどんどん上達して。なのに撮影2週間くらい前になったら、歌の先生がこんどはそれを壊すんですよ。“そんなキレイな尾崎は聞きたくない。「15の夜」は社会に対する思春期の少年たちのメッセージなんだから、激しさがないとお客さんに伝わらない。みんなの15の夜を思い出して歌ってほしい”って。そしたら、握りこぶしで歌うヤツは出るわ、自分の胸倉つかむヤツはいるわ。味が付きだしたんですよ」
激しくて不器用で熱いティーンの思いが歌に込められた1シーン。ちなみに今回演じているのは正真正銘の18歳?
「演じているのは35歳ですから、かなりふけた18歳なんですけど(笑)。オファーが来たとき確実に“ドッキリ”だと思って、部屋の隅々にCCDカメラが仕込まれていないか探し回りましたよ。でもどう考えてもこの打ち合わせは本当っぽいな…と思いながら1週間後に衣装合わせに行くと、こんな具志堅さんみたいなヅラが用意されていて“やっぱりドッキリだ”とまたカメラを探してみたりして。でも全然、赤いプラカード持った人も現れないし」
お笑い芸人に映画出演のオファーが来るとまず“ドッキリ”を疑うと聞くが本当のことらしい。
「なるほどコメディー映画なんだと思って、では僕はふざけているイメージでいいんですかと聞くと“半分くらいは真面目な演技を”という。予想を裏切ることばかりでしたね」
それは撮影初日から感じたという。
「実は最初、田中誠監督と意思が伝わりあわなくて大変だったんです。台本をもらったとき、僕の役は“茶化し役”だと思い、お笑いが欲しいシーンに僕が出てくるんだろうと考えて役作りをしていったんです。それでクランクインの初日、最初のカットで、思いっきり、ルー大柴さんくらいの身振り手振りをつけながら演技したら、監督が“カット。ゴリさん、今の演技全部壊してもらっていいですか”って。“え? でもこれくらいしないとおもしろくないんじゃ…”“もっとマジメなイメージでやってもらいたいんです。ポイントで熱くなってもらったほうがおもしろいので”と。ひょっとして監督と合わないかも…って不安になったんですがモニターを見てみると…監督が言ったとおりなんです。やっぱり監督は全部見えているんですよね」
自身もショートムービーで監督作を手がけた経験がある。今後の“監督業”の参考になった?
「そういう日がいつ来るか…。まだまだ難しいですよ。いくつもアタマを使わないといけないでしょ、熱持って爆発しそうになるんですよ。花火みたいに、ヒュルルルパーン、て(笑)」
と言いながらも映画をこよなく愛するゴリ。話していても本作への熱い意気込みがどんどん伝わってくる。
「20人の人間が声を合わせて歌う気持ちよさって、1人で歌うのと全然違うんですよ。人が1人で生きていけないように、人と人のつながりのようなものが全部合唱に集約されているような気がする。熱く生きたほうが、人生楽しいですよ。僕はこれからも熱く生きていきます!」
これは本業に劣らぬ熱さ。もしかしたら、すでにゴリの90%は映画俳優かも…。
「そうなんです。残りの10%はアイドルです!」。つまり、ときに100%映画人、100%お笑い、アイドルは…。
(本紙 秋吉布由子)