
vol.350
混乱続く為替・株 一時1ドル95円台に 株は1万2000円割れ
17日の東京市場で、円高と株安の連鎖が加速し、円相場は一時1995年8月以来12年7カ月ぶりに1ドル=95円台まで円高が進行、日経平均株価は約2年7カ月ぶりに1万2000円を割り込んだ。サブプライム(高金利型)住宅ローンショックを発信源とする米国の信用不安と景気後退懸念が拡大し、ドル売りが加速。急激な円高による国内景気や企業業績への不安で株が売られる悪循環が強まった。
17日の東京市場では、円相場が1ドル=99円から98円、97円、96円、95円台と次々に大台を突破するのを追うように日経平均株価も200円、300円、400円、500円安と下げ幅を拡大していった。
取引開始の午前9時。米連邦準備制度理事会(FRB)による緊急の公定歩合引き下げと米銀JPモルガン・チェースによる米証券ベアー・スターンズの救済買収が伝わるなか、円は1ドル=99円台で取引され、日経平均株価は前週末比152円安の1万2089円で寄り付く。
市場は、2つのニュースを「迅速な対応というより、米国が追いつめられた表れ」(大手銀行ディーラー)と受け止め、海外の投機筋などが一斉にドル売りを浴びせた。
9時45分ごろに、額賀福志郎財務相が財務省で記者団に「過度な動きと懸念している。大きな関心を持って見守っていきたい」と市場を牽制するが、効果はない。
午前中の円相場は、ほぼ右肩上がりの一本調子で上昇。午前11時20分ごろについに12年7カ月ぶりの95円台に突入する。
「100円を切ったときが、ボーダーラインだった。為替がいったん動き出せば、これくらいは一気に進む」
住友信託銀行マーケティングユニットの内田晶文次長は、いとも簡単に節目を突破する激しい動きへの対応に追われた。
一方、11時に514円安の1万1726円で午前の取引を終えていた株価は、午後の取引開始直後、この日の最安値である550円安の1万1691円まで急落した。
売りは、円高の直撃を受ける自動車や電機の輸出株から、金融不安の連想で銀行や証券株、不動産、小売りなど内需株へと広がり、「総崩れ状態」(大手証券)になる。
「市場がメルトダウンし、コントロールできない状況になりつつある。100年に一度の世界大恐慌の入り口かもしれない」
ネット証券の首脳は、危機感を募らせた。
午後に入り、円相場が97〜98円台で一進一退のもみ合いになると、これに合わせるように、株価も1万1800円台のボックス圏で推移。その後、円の高値警戒感からドルを買い戻す動きは一部にとどまる一方で、株価も割安感からの買い戻しは限定的にとどまり、もみ合いのまま午後3時にこの日の取引を終えた。
市場では、先行きについても、なお悲観論が大勢を占めている。
(ビジネスアイ)