
vol.350
全日空と日航がMRJ購入へ 初の国産ジェット旅客機実現に弾み
全日本空輸と日本航空は、2012年以降に導入する短距離用の次期小型ジェット旅客機に、三菱重工業が開発中の「MRJ(ミツビシ・リージョナル・ジェット)」を購入する方向で最終調整に入った。傘下の運航子会社分を含め全日空グループは30機前後、日航も同程度以上を購入する見込み。三菱重工は100機の事前受注をMRJ事業化の目安としており、国産初のジェット旅客機の実現に弾みが付きそうだ。
MRJは、経済産業省と三菱重工の共同プロジェクトによる70〜90席の小型ジェット旅客機で、12年の運航開始を目指している。燃費性能に優れた最新の次世代省エネ機として、燃料費の高騰に苦しむ航空各社からの需要が期待されている。
全日空は、グループ会社で運航中の「ボンバルディアDHC-8」(56〜74席)、共同運航や予約システム代行で親密な関係にある地方路線専業のアイベックスエアラインズ(東京)の「ボンバルディアCRJ」(50席)の次期代替機の購入に向け、今年1月に社内に「機種選定委員会」を設置。MRJのほか、カナダのボンバルディア社とブラジルのエンブラエル社の小型ジェット機も含めた3候補から絞り込み作業を進めている。
三菱重工からのMRJに関する詳細データや契約条件の提示が遅れているため、正式な機関決定には至っていないが、「国を挙げたプロジェクトを応援しないわけにはいかない」(関係者)として、MRJ購入の意向を固めたもよう。日航も同様の判断で、全日空に追随する方向だ。
ただ、両社には、三菱重工製のプロペラ旅客機「YS11」が1973年に生産中止となり、機種計画の変更を迫られた苦い経験がある。このため、購入条件には厳しい注文をつける見通しで、当初の導入機数など契約内容は流動的だ。