
vol.351
土浦で白昼刃物で無差別凶行8人死傷
23日午前11時ごろ、茨城県土浦市のJR常磐線荒川沖駅構内などで、男が刃物で男女8人を次々に刺した。左首を刺された同県阿見町の会社員、山上高広さん(27)が死亡、同市内の会社員、石山恵美子さん(62)とつくば市の高校3年、飯田修平さん(18)が重体。残る5人も腕などを負傷した。男はこの4日前の三浦芳一さん(72)殺害事件で指名手配されていた無職、金川真大容疑者(24)と判明。県警は三浦さん殺害容疑で、金川容疑者を逮捕した。金川容疑者は、8人殺傷、三浦さん殺害とも容疑を認め、「誰でもよかった。人を殺したかった」と供述した。
金川容疑者は犯行後、駅西口から約300メートル離れた交番から土浦署に電話で「私が犯人です。早く捕まえてください」と連絡。逮捕時は、自ら凶器を手放し、抵抗することはなかったという。
目撃者の話では、金川容疑者はうなり声をあげながら、同駅西口から東口方面に全速力で移動。全長約30センチの文化包丁と同33センチのサバイバルナイフを持っていた。途中の改札口付近で5人を刺し、その後、駅に隣接するスーパー「長崎屋」に通じる歩道橋で死亡した山上さんら3人を刺した。
金川容疑者は県警の調べに、一連の犯行の動機について、「母親に口答えする妹(長女)に腹が立った」と供述。金川容疑者は三浦さんを殺害した当日、「妹を殺そうと思ったが、(自宅に)いなかったのでやめた」とし、その後、自宅を出て「誰かを殺そうと思って、出身小学校のほうに行った」という。小学校でも殺害を断念し、「たまたま見掛けた」三浦さんを殺害した。
金川容疑者は、母親に対する妹の態度に「いらだった」と話し、以前から妹への殺意があったことをほのめかしているが、8人殺傷については「(JR荒川沖)駅に着いて、7、8人殺そうと思った」と場当たり的な犯行をにおわせている。
金川容疑者は22日午後0時42分に「早く捕まえてごらん」と110番で挑発。午後1時38分にも110番していた。県警はこのときの発信記録から最初の連絡が荒川沖駅周辺、2度目がJR取手駅周辺であったことを突き止めた。警視庁や千葉県警、JR東日本にも協力を依頼し、約170人の捜査員を投入し、金川容疑者の行方を追っていた。
金川容疑者の自宅最寄り駅の荒川沖駅は最重要警戒地点。同駅に姿を見せる可能性もあるとみて、私服捜査員8人を配置したが、県警は金川容疑者の最近の写真を入手していなかったため捜査員は、頭を丸刈りにして、眼鏡をかけるなど変装していた金川容疑者に気づかなかった。
また24日には、私服捜査員8人は誰も無線機を持たず、相互の連絡が不十分で、県警本部が事件を把握したのも市民からの110番通報だったことが分かった。近くで改札を通る金川容疑者を見逃したり、通行人を次々と切りつけながら逃走する容疑者に追いつけなかったなど、数々の失態も明らかになり、県警は不手際を認め、小風明県警本部長が「捜査の在り方についても検証したい」と異例のコメントを出した。