
vol.351
岡山では“他人”を線路に突き落とす
岡山市のJR岡山駅で25日夜、男性が在来線ホームから線路に突き落とされ、電車にはねられて死亡する事件があった。岡山県警は、殺人未遂の現行犯で大阪府大東市の無職の少年(18)を逮捕、殺人容疑に切り替えて詳しい動機などを調べている。少年は25日から家出中で果物ナイフを所持しており、「人を殺せば刑務所に行ける。誰でもよかった。一番前の人の背中を無言で押した」と供述したという。
県警によると、死亡したのは岡山県倉敷市笹沖、県土木部道路建設課主任、仮谷国明さん(38)。25日午後11時5分ごろ、岡山駅の山陽線下りホームで帰宅のため電車を待っていたところ、少年に背後から突き落とされ線路に転落、瀬戸発岡山行き普通電車(4両編成)にはねられ、出血性ショックで約5時間後に死亡した。
現場付近で警戒中だった鉄警隊員が、列車の警笛で約1分後に駆け付け、ホームにいた少年を取り押さえた。当時、ホームには通勤客ら約300人がおり、売店そばの乗り場で2列に並んだ先頭にいた仮谷さんが、少年に押されるのを数人が目撃していた。
仮谷さんは同日午後10時すぎに仕事を終え、倉敷市の自宅に帰る途中で、同僚らと一緒だった。
少年は今月に大阪の府立高校を卒業したばかり。25日から所在が不明になったことから、両親が大阪府警に捜索願を出していた。25日午後7時ごろ在来線で岡山駅に着き、人を刺そうと駅周辺をうろついたが決心がつかなかったという。
黒のショルダーバッグに果物ナイフ(刃渡り約12センチ)を入れ、岡山駅から140円区間の切符を持っていた。所持金は3560円だった。
県警の調べに、少年は「誰か人を刺してやろうと思った」と供述。岡山駅に来たことについては「ふらりときた。仮谷さんがどんな人か知らない」と話しているという。
少年の父親(56)は26日、岡山市内で会見を開き「遺族に申し訳ない気持ちでたまりません」と涙で声を詰まらせ謝罪した。
約1時間20分続いた会見中、いすに座るよう勧められても断り、立ったまま取材に応じた。
父親は「小、中学校でいじめられた経験が心に少し残っていたのかなと思う。人を傷つけるなら僕を傷つけてくれたら良かった。ばかな息子ですみません。社会人としてちゃんとしてほしい」と会見の最後に数十秒間、頭を下げ続けた。