
vol.351
渋谷の妹殺害事件で鑑定医が「心神耗弱」の見解
東京都渋谷区の短大生、武藤亜澄さん=当時(20)=が自宅で殺害、切断された事件で、殺人と死体損壊の罪に問われた次兄の元予備校生、勇貴被告(22)の第4回公判が24日、東京地裁(秋葉康弘裁判長)で開かれ、精神鑑定を実施した鑑定医への尋問が行われた。鑑定医は「殺害時は心神耗弱、遺体の損壊時には心神喪失状態だった」との見解を述べた。
鑑定医は、東京女子大の牛島定信教授(精神医学)。公判の冒頭で、秋葉裁判長が「生来のアスペルガー障害、中学時代に発症した強迫性障害に加え、犯行時には解離性障害を発症していた」とする鑑定結果を報告。さらに鑑定書では「被害者の挑発的な態度で、人格内部に隠れていた自分でも認識していない部分が爆発して犯行に及んだ」と指摘している。
その上で、牛島教授は「殺害の衝撃で解離性障害を引き起こしており、遺体の損壊時は精神状態が違っていた」と説明。殺害時には責任能力が著しく限られていた上、遺体損壊時には解離性障害を引き起こしていて「責任能力はなかった」と述べた。
争点は、(1)亜澄さんを殺害し、遺体をバラバラにした動機(2)犯行時の責任能力の有無−の2点。犯行時、心神喪失状態だったと裁判所が認定すれば、刑法の規定で刑事責任は問われず、無罪となる。心神耗弱でも刑が減軽される。
次回公判は来月21日に開かれ、鑑定結果を受けて被告人質問が行われる予定。