
vol.351
メガ百貨店が1日発足 まずは三越の立て直しが課題
大手百貨店の三越と伊勢丹は1日、経営統合し、共同持ち株会社「三越伊勢丹ホールディングス」(東京都中央区)が発足する。国内32店舗を構え、売上高は1兆5858億円(平成18年度)と百貨店業界首位、スーパーを含む小売業全体ではセブン&アイ・ホールディングス、イオンに続く3位の規模だ。他業態との競争が激しさを増し、個人消費が低迷する中の船出は、業績好調な伊勢丹の手法でいかに三越の建て直しを図るかが目先の課題となる。
統合会社は顧客数が約350万人に達し、札幌から鹿児島まで全国主要都市に展開する。全国の百貨店売上高の4分の1を占める東京都では、シェア4割の圧倒的な存在感だ。また、平成25年度の営業利益は750億円(18年度は三越126億円、伊勢丹323億円)を目標としている。
会長兼CEO(最高経営責任者)に就任する武藤信一伊勢丹社長は、消費者への統合メリットについて「いろんな力を身に付け、今まで1つしかかなえられなかったお客さまの要望を3つ、4つとかなえられるようになる」と語っており、他社からは「大変な脅威」との声が漏れてくる。
目先の課題は三越の立て直しだ。新宿本店で売上高の大部分を稼ぐ“一本足打法”の伊勢丹にとっても、新たな成長戦略といえる。三越は日本橋本店改装などでも十分な効果が上がらず、20年2月期の業績予想は単体で2年連続最終赤字の見通しだ。「どの百貨店より進んでいる」(三越の石塚邦雄社長)といわれる、顧客ニーズをくみ取って魅力ある品ぞろえを実現する伊勢丹のシステムを移植できるかがカギを握る。
ただ、昨年の全国百貨店売上高は11年連続の前年割れとなり、専門店やネット通販などとの競争は激化、原料高や株安による消費の冷え込みは小売り全体を直撃する。地方百貨店や他業態を巻き込んだ業界再編の機運もくすぶっており、統合効果を発揮するのに時間をかけるわけにはいかない。