
vol.352
さあ次は「道路特定財源の一般財源化」問題
揮発油(ガソリン)税の暫定税率を除く租税特別措置を5月末まで延長する「ブリッジ(つなぎ)法」が3月31日、衆参両院の本会議で可決、成立した。暫定税率は4月1日から失効し、ガソリン価格は1リットルあたり約25円下がった。福田康夫首相は31日夕の記者会見で、「地方財政や国民生活への混乱を防げなかったことは残念だ。政治のツケを国民にまわす結果となり、心よりおわび申し上げる」と述べ、暫定税率維持を含む歳入関連法案が年度内に成立しなかったことを謝罪した。
首相は「暫定税率が下がる分だけ財政に穴があき、予算執行ができなくなる」と述べ、参院送付から60日が経過する4月29日以降、憲法の規定により歳入関連法案を衆院で再議決し、暫定税率を復活させる方針を示した。
また「平成21年度から道路特定財源を全額一般財源化する」ことも改めて表明した。
これを受け、自民党内では若手・中堅が「福田提案を支持し、道路特定財源の一般財源化を実現する会」(実現する会)を発足させ、改革路線を後押しする構えを見せた。一方、道路族の実力者である二階俊博総務会長が率いる二階派議員は一刻も早く暫定税率を復活させるように陳情するなど一般財源化に向け、抵抗を強めた。
「実現する会」は、棚橋泰文元科学技術担当相らが呼びかけた。設立趣意書(案)では「首相の英断を強く支持する」として10年間で59兆円の道路整備中期計画の抜本的な見直しや道路関係公益法人の改革を進めていく方針を明記。「野党との修正協議の成否にかかわらず一般財源化を断行すべきだ」と結んだ。出席者からは「一般財源化は国民の理解を得られている」(下村博文元官房副長官)など賛同意見が続出した。
一方、二階派(新しい波)は「必要な道路整備の促進と、そのための財源確保は国家の喫緊の課題であり、次世代への責務だ」として、歳入関連法案の早期再議決を求める申し入れ書を作成。二階氏ら所属議員16人全員の署名を添え、2日午前、国会内で伊吹文明幹事長に提出。午後には首相に直接申し入れようとしたが、首相には会えず、福田達夫首相秘書官に申し入れ書を渡した。
これらの動きに対して、中川秀直元幹事長ら経済成長を重視する「上げ潮派」や、鳩山邦夫法相ら「環境族」には一般財源化を求める声が根強い。加えて公明党の太田昭宏代表や北側一雄幹事長らも首相の新提案を全面的に支持する考えを表明している。
修正か!?党内対立の予感
暫定税率が下がったままだと地方自治体に大幅な歳入欠陥が生じるため、税率を元に戻す歳入関連法案の衆院再議決に関しては与党内ではほとんど異論はない。しかし参院に送付済みの道路整備特別措置法案(道路整備財源特例法改正案)は今後10年間にわたり揮発油(ガソリン)税を道路特定財源と位置づけており、福田首相の掲げる「道路特定財源の一般財源化」と矛盾することになるため「大幅修正が必要」(自民中堅)との声が強い。
そんな中、福田首相は1日、伊吹幹事長と官邸で会談し、歳入関連法案と、「道路整備特別措置法案」について、政府案のままで成立を目指す方針を確認した。
会談で首相は「平成20年度の予算、歳入法案、道路整備特措法案は動かさない。動かすと難しいことになる。21年度以降をどうするかは別問題として考えなければいけない」と指摘。道路特定財源の21年度からの全額一般財源化を柱とする新提案の具体化を検討するよう指示した。